ジュール・ビアンキ(旧マルシャ)は2015年、ザウバーをドライブするはずだった。
オーストリア『Servus TV(セアヴスTV)』に出演した元HRTのチーム代表コリン・コレスが、ギド・ヴァン・デル・ガルデ裁判騒動についてコメントする際に明らかにしたものだ。
ヴァン・デル・ガルデは、2015年F1開幕戦オーストラリアGPに先立ってザウバーを相手取り、裁判を起こした。自分とのレース契約をないがしろにしたと主張したものだ。
ところが、コレスによるとザウバーは「3つどころか、6つも契約を交わして」いた。
ヴァン・デル・ガルデ、フェリペ・ナッセ、マーカス・エリクソンに加え、エイドリアン・スーティル、エステバン・グティエレス、それにビアンキとの契約も存在したという。
ビアンキとザウバーの契約は、彼が日本GPの事故で重傷を負う数時間前に署名されたとのことだ。彼は半年経った今もこん睡状態が続いている。
「契約は、日本GP決勝当日の正午に交わされた」とコレス。この契約によって、ザウバーが抱える負債のうち多少は「相殺」されるはずだった。
金銭的に苦しいザウバー。コレスは、チームCEOのモニシャ・カルテンボーンが次々に怪しげな解決策に食いついたと語る。
ビアンキは、ザウバーにエンジンを供給するフェラーリと関係が深い。またグティエレスのバックにはメキシコ系のスポンサーが付いている。彼は最終的にフェラーリのテストドライバーになった。
それにしてもと、次のようにコレスはいう。「理解できないのはモニシャ・カルテンボーンの行動だ」
「シートを売っては金を受けとり、その半年後には、さらに別のドライバーに売り渡すのだから」
2015年シーズンにザウバーが取り交わした複数の契約は、「完全に計算されたもの」だったとコレスはいっている。
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