マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、先週末のF1中国GP(第3戦)予選でチームメートのジェンソン・バトンに後れを取っていた。だが、アロンソはそのことで機嫌が悪くなるどころか、満足げな様子を示していたという。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じたところによれば、先週末のF1中国GPにおいて、マクラーレン・ホンダの2台のMP4-30には違う空力パーツが備えられていたようだ。
同誌によれば、マクラーレンでは中国に新しいディフューザーを1セットしか持ち込んでおらず、アロンソがそれを「気前よく」バトンのクルマのほうに装着させ、自分は古いディフューザー仕様のクルマで戦っていたのだという。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、その新しいディフューザーは1周あたりコンマ2、3秒短縮できる効果を生むと考えられていると書いている。
中国GP予選では、バトンのほうがアロンソを上回ったものの、そのタイム差はわずかに1,000分の4秒だった。もし、2人が同じディフューザーを使っていたとすれば、結果は逆になっていたかもしれない。
アロンソも今週末のバーレーンGP(19日決勝)では新しいディフューザーを使うことになるようだが、アロンソにとってはさらに心強い週末も期待できそうだ。
それは、ホンダもV6パワーユニットをチューンアップし、パフォーマンスを強化してくると見られているためだ。『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ホンダ製V6パワーユニットはこれまで信頼性に不安があったため、パワーを90パーセント程度に落として走行していたと指摘している。
一方、アロンソは昨年のチームメートであったキミ・ライコネン(フェラーリ)と言い争うつもりはないと語っている。
中国GP決勝では、4位となったライコネンにも周回遅れとされてしまったマクラーレン・ホンダ勢だが、しばらくの間アロンソがライコネンに道を譲ろうとしなかったため、ライコネンは無線を通じて「いい加減にしてくれよ。マクラーレンをどかせてくれ!」と怒鳴っていた。
この件に関してスペインの『Marca(マルカ)』に質問を受けたアロンソは、次のように答えた。
「僕は何も言うつもりはないよ。僕たちは彼らに比べるとかなり遅いからね」