F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、全チームがメルセデスエンジンを搭載したレースを見てみたいと話している。
エクレストンは昨年以来、V6ターボエンジンへの不満を口にし続けている。くだんの発言が出たのは、メルセデスAMGのチーム代表トト・ヴォルフ、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナー、エクレストンによる3者対談の場だった。
『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』の企画で行われたこの3者対談で、望みは何かと聞かれたエクレストンは、こう答えている。
「以前のV8エンジンか、全員が同じエンジンになることだ」
「全チームがメルセデスエンジンを搭載するという契約なら署名したいね」
■「20台すべてにメルセデスエンジンを提供する」とラウダ
面白いことに、メルセデスAMGの非常勤会長で3度のF1王者であるニキ・ラウダは、F1第3戦中国GPで『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、次のように話している。
「もしホンダとルノーがF1を去ると決めても、気にならないね」
「いくらつぎ込んでも優勝争いに加われないのだとしても、それはメルセデスの問題じゃない」
「私がチャンピオンになった頃は、フェラーリエンジンが2台とコスワースエンジンが20台だったが、何の文句も出なかった」
「ルノーとホンダが去るのなら、20台すべてにメルセデスエンジンを提供する。それで問題ないじゃないか」
■フェラーリは除外、レッドブルは歓迎?
対談でエクレストンの提案を聞いたヴォルフは、「フェラーリがメルセデスエンジンを受け入れるとは思えないね!」と答えている。
エクレストンはこう切り返した。「フェラーリは除こう。彼らは例外だ」
ホーナーは、メルセデスエンジンを受け入れるかと聞かれてこう答えている。
「まあ、(チームのタイトルスポンサー)インフィニティはすでにメルセデスと一緒に仕事をしているしね。メルセデスはインフィニティにエンジンを提供しているから」
この対談の最中、エクレストンは何度も机をこぶしでたたいていらだちを表現していたという。そのいらだちの一端は、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に向けられているようだ。
「FIA会長(ジャン・トッド)は難しい立場にある」とエクレストン。「彼は誰も怒らせたくないんだ。全員を満足させたいのさ」
「残念ながら、それは簡単なことじゃない」