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F1は崩壊寸前だとFIA前会長

2015年04月08日(水)17:31 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の前会長であるマックス・モズレーが、財政難に苦しむF1チームの問題を解決しなければ、F1が「崩壊」の危機を迎えるだろうと警鐘を鳴らした。

■FIA会長時代には予算制限導入を目指していたモズレー

5年前に自ら招いたセックススキャンダルによってその職を辞した現在74歳となるモズレーだが、FIA会長時代にはF1チームの予算に上限を設定するルールの導入を目指すもこれに失敗したという経緯がある。

モズレーは、ドイツの『DPA通信』に対し、当時は「フェラーリを除く」すべてのチームの賛同を取り付けていたと語っている。

モズレーの後任としてFIA会長に就任したのは、かつてフェラーリのチーム代表を務めていたジャン・トッドだ。トッドは、モズレーに比べれば、あまり表にも出ず、より保守的な立場を取ることで知られている。トッドは、F1最高権威のバーニー・エクレストンがチームと個々に商業契約を結ぶというF1の新たな財政体制への移管を監督してきた。そして、エクレストンはトッド率いるFIAと新たな契約にも合意している。

■現在のFIAにかつてのような権限はない

「どういう調整が行われてきたのかは知らない。だが、私が理解していることは、バーニーがチームたちと手を組めば、FIAに多数決で勝てるということだ」

そう述べたモズレーは、次のように付け加えた。

「それについては、私に誤解があるかもしれないし、推測などはするべきではないかもしれない。だが、私はFIAがかつてほどの力を持っていないという印象を受けている」

■大きな予算を必要とする先進技術導入も原因の一部

モズレーはさらに、現在のF1が抱えている問題の一部は、あまりにも技術的に複雑になり過ぎたことと、それによって費用もさらにかかってしまうようになったことだと次のように続けた。

「現在行われている(技術的な)ことの90パーセントか95パーセントかは外部の者からは見ることができないし、チームたち同士も秘密にしている」

「つまり、F1は非常に大きく変わってしまった。たとえ、それがいい方向に変わったのだとしても、私は行き過ぎだと思っている」

■チームへの公平な収入分配が必要

さらに、モズレーに言わせれば、F1の商業的収入が参戦チームに公平に分配されていないことが大きな問題だという。

「少なくとも半数のチームが満足に戦える状態になっていない。それは彼らが十分な資金を持っていないためだ。私に言わせれば、これは間違っているよ」

「誰も、ひとつのチームだけがライバルたちより大きなエンジンを搭載することを許そうとはしないだろう。だが、あるチームがほかのチームの5倍もの資金を持っているとすれば、それは彼らが大きいエンジンを持っているのとまったく同じことになってしまうんだ」

■F1の変化を妨げる「全員一致」システム

モズレーは、FIAとチームとの合意が行き詰まっていることが最終的な問題だと主張。「変更を可能とするためには、全員が合意するしかない」ため、仮にそうすることが望ましい場合でも全員が賛同しなければF1が変化を起こすことを妨げてしまうためだ。

「チームを集めてこう言うことはできるだろう。『ほら、我々は全体として大きな問題を抱えている。いくつかのチームは十分な資金を持っているが、ほとんどのチームはそうではないからだ。もしこのまま続ければ、F1は崩壊してしまうだろう。だから、私は全員に変更することに同意してもらいたいと思っている』とね」

そう語ったモズレーは、次のように付け加えた。

「残念ながら、全員一致でなければそうすることはできない。私は、それは可能だと考えている。だが、そのためには全員が本当に問題があるのだということをはっきりと認識する必要があるんだ」

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