F1第2戦マレーシアGPではフェラーリが久方ぶりの優勝を果たしたが、メルセデスAMGが最強であることに変わりはないと両陣営とも認めている。
2014年もレッドブルのダニエル・リカルドが3勝したが、マレーシアGPでフェラーリ初優勝を飾ったセバスチャン・ベッテルは、V6ターボ時代になって以降「初めてメルセデスAMGが正攻法で敗れた」と語っている。
■自信のメルセデスAMG
だがメルセデスAMG代表トト・ヴォルフは、これが「1つの時代の終わりか」と聞かれると笑いをもらした。
「F1は少々極端になるときがあるね」
「オーストラリアでは、今シーズンはわれわれが全レースで勝つだろうと言う人が大勢いた。それが今では“1つの時代の終わり”だって言うんだから!」
今回の敗北は「警鐘」として記憶されるかもしれないと認めるヴォルフだが、自信は失っていない。ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』は次のようなヴォルフの言葉を伝えている。
「フェラーリは優勝街道に復帰するために1億ユーロ(約130億円)多く使っているとどこかで読んだ」
「私に言えるのは、われわれには勝利に必要な材料がすべてそろっているということだ。もしかしたら、開発パーツをいくつか予定より早めに投入するかもしれない。だが、慌てる理由は何もないと考えている」
■現実的なフェラーリ
フェラーリも、今回の勝利はマレーシアの暑さによって、もともと良かったタイヤマネジメント能力がいっそう効果を発揮した成果だと見ている。
フェラーリのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、次の中国GP(4月12日決勝)に向けた展望をこう語った。
「中国でも、ここで成し遂げたのと同様の素晴らしい仕事をやってのけるには、とてつもない努力が必要だということはよく分かっている」
今回の優勝で、選手権トップのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に対して3ポイント差の2番手に付けたベッテルも、アリソンと同じ意見だ。
「僕たちは現実的にならなければいけない」
「彼ら(メルセデスAMG)は冬のテストと開幕戦ですごく大きな差を築いていた。それが急に消えることはない」
「僕たちが目指すべきは、彼らとの差を小さくし続けていくことだ。今後も差は存在するはずだから」