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レッドブル、自社エンジン製造を検討か

2015年03月26日(木)21:52 pm

レッドブルが、将来的にエンジンも自社製造することを視野に入れているようだと報じられている。

今季の開幕戦オーストラリアGPの後で、レッドブルとエンジンサプライヤーであるルノーの間に中傷合戦がぼっ発。両者の関係悪化がかなり深刻であることをにおわせることとなった。

■関係悪化の一途(いっと)をたどるレッドブルとルノー

今では再びワークスチームを擁してのF1復帰を検討していることを公然と認めているルノー。そのF1プロジェクト責任者であるシリル・アビテブールは今週、今季の不振の原因はすべてルノーエンジンにあるとしたレッドブルを「うそつき」と呼び、反撃に出ていた。

そのアビテブールは、ツイッターにボクシンググローブの写真を投稿し、「マレーシアに向けて準備中だ」とのコメントをつけている。マレーシアでも一戦を交える覚悟は十分といったところだが、それがライバルチームたちとの戦いなのか、レッドブルとの戦いなのかは定かではない。

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)も、27日(金)に行われる共同記者会見にはアビテブールと、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーを指名するという、心憎いばかりの演出を行っている。

■メディアでの中傷合戦は幕引きへ

だが、両者の決別が時間の問題だととらえられている中、とりあえず、両者の中傷合戦には歯止めがかかりそうな兆候もある。

ドイツ人記者のラルフ・バッハは、自身のブログ『f1-insider.com』の中で、アビテブールがレッドブルに対して「うそつき」呼ばわりしたことを陳謝したと書いている。バッハによれば、それはルノーの取締役会がアビテブールに対し、公然とレッドブルに対する反論を行わないよう指導したためだという。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも「この件に関しては落着したと思っているし、今後は建設的に取り組むことになるよ」と語った。

だが、この一時休戦条約的な流れは、ルノーとレッドブルが今後は異なる方向に進む日が近づいていることを意味していると考えられている。

■違う方向性を模索するレッドブルとルノー

アビテブールは『f1news.ru』に次のように語っている。

「シーズンを通じて、状況をよく分析し、その結果を取締役会に上申することになる」

「いずれにしても、今年の問題ではないんだ。我々はレッドブルと2年契約を結んでいるし、それは2016年末まで有効だからね。我々もそれは全うするつもりだ」

一方のレッドブルも、ルノーと決別した後の将来図を描き始めているようだ。

レッドブルがオーストラリアGP開催時からその後にかけて激しくルノーを批判したのは、今後自分たちのアイデアを取り入れたエンジンを登場させるための道筋を作るためではないかとのうわさもささやかれている。

かつてメルセデスで開発に携わっていたエンジンの匠(たくみ)とされるマリオ・イリエンがイルモア・エンジニアリングとともにルノーのV6の分析に加わっており、現在は要請された改良に取り組んでいるところだ。これはレッドブルの圧力によって実行に移されたものだ。

さらに、レッドブルではオーストリアのパワートレイン専門会社であるAVLの最新施設を使って、イルモアの手を入れて改良したエンジンのテストも行うことにしている。

■レッドブルがエンジン開発を想定した設備投資開始か

そんな中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、「レッドブルは自分たち専用のバーチャル・テスト・トラック(VTT=仮想テストコース)施設を発注した」と書いている。

シュミットによれば、屋内で完全に組み上げたクルマによるテストができるこのVTT施設を持っているのはメルセデスとホンダだけだという。

シュミットは次のように締めくくっている。

「どんなチームがこうした最先端の動力試験設備を必要とするのかと聞かれれば、その答えはひとつだけだ。エンジンメーカーになろうと考えているところだ」

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