2014年に2度目のF1タイトルを手にしたルイス・ハミルトンがフェラーリと接触していたといううわさは事実だった。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフがこれを認めたと報じられている。
2015年のF1開幕戦が行われたオーストラリアのパドックでは、現在マネジャーを置かず、自分自身で2016年以降の契約に関する交渉をメルセデスAMGと行っているハミルトンに関し、フェラーリと接触しているようだとのうわさがささやかれていた。
このうわさに関し、ヴォルフはドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「そうだよ。ルイスはフェラーリと連絡を取り合っていた」
ニヤリと笑ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「彼はラ・フェラーリを買ったんだよ」
「ラ・フェラーリ」は、フェラーリの最高級限定ハイブリッドスポーツカーだ。だが、ドイツのメルセデスのワークスチームでF1タイトルをとったハミルトンが、フェラーリの市販車を購入したことを堂々と公表するというのも面白い話だ。
今季レッドブルからフェラーリへと移籍したセバスチャン・ベッテルも、実はかなり前にフェラーリの市販車を購入していたが、そのことはずっと隠し通していた。それはタイトルスポンサーであるインフィニティやエンジンサプライヤーであるルノーへの配慮があったのは確かだろう。
だが、ヴォルフは、ハミルトンがメルセデスにとってはライバルであるフェラーリのスポーツカーを購入したことを気にとめてはいないようだ。
「我々には何の問題もないよ」とヴォルフ。
そのヴォルフ率いるメルセデスAMGとハミルトンが2016年以降の契約書にサインするのも、もう間近のことだと考えられている。
だが、ヴォルフは少し前に、仮にハミルトンがメルセデスAMGから去ることになれば、その後任ドライバーとしてもっとも有力なのはフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)だろうと語っていた。
ここまで予想以上の苦戦を強いられているマクラーレン・ホンダだが、レーシングディレクターのエリック・ブーリエはスペインの『El Pais(パイス)』に対し、アロンソがまたわずか1年でマクラーレンからメルセデスAMGへ移籍するというような心配は「まったくしていない」と語った。