2014年には不振に沈み、大規模な組織刷新を進めてきたフェラーリ。だが今季は開幕戦オーストラリアGP決勝で早速セバスチャン・ベッテルが昨年の第11戦ハンガリーGP以来となる表彰台をチームにもたらしている。
今季そのベッテルを新たなチームメートに迎えたキミ・ライコネンはトラブルによるリタイアを余儀なくされていたものの、クルマの感触はいいと次のように語っている。
「去年の僕たちの位置と比べれば、僕たちのチームが冬の間に最高の仕事ができたのは間違いないよ」
■フェラーリの進歩に驚くメルセデスAMG
それでも、2015年シーズンもメルセデスAMGが楽々と1-2体制を築いてしまうことになるだろうと考えている者がほとんどだ。だが、メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、フェラーリをあなどるわけにはいかないと『Universo(ウニベルソ)』に次のように語った。
「メルボルンでは勝利したが、フェラーリとの差は30秒ほどだった」
「彼らが昨年どうだったかということを考えれば、それはかなり印象的なものだ」
「GPS(衛星測位システム)を通じて、彼らのエンジンが非常にパワフルで、クルマもすごくよくできていることが分かる。彼らが我々に追いついてくるのは時間の問題だろうと考えている。フェラーリにはそれを達成するために必要なものすべてがそろっているからね」
とはいえ、オーストラリアGPでメルセデスAMGが発揮してみせた強さを考えれば、メルセデスAMGが圧倒的に有利であるということに間違いはないだろう。
■まだ2015年シーズンは予断を許さないとクルサード
だが、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、今季のF1タイトルのゆくえを占うにはまだ早すぎると考えている。
かつてマクラーレンやレッドブルで活躍したクルサードは、オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「フェラーリがやり遂げてみせたことは、さらに改善することが可能だということを示すものだ」
「レッドブルでは問題を抱えてしまっているし、もちろん、マクラーレンとホンダもそうだ。だが、彼らもその解決に取り組んでいる」
「たった1レースで判断することなどできないよ。もっと大局的に見ないとね」とクルサードは付け加えている。