メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが、ライバルのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対し、次戦F1マレーシアGP(29日)で、メルセデスAMGのチーム会議に参加するよう誘いをかけた。
今年のF1開幕戦オーストラリアGPは、やはり圧倒的な速さを見せつけたメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとロズベルグが1-2フィニッシュを達成。3位で表彰台に上ったベッテルがフィニッシュラインを横切ったのは、メルセデス勢がゴールしてから34秒後のことだった。
レース後に行われた共同記者会見は、ロズベルグとベッテルの2人のドイツ人ドライバーによる愉快なやりとりがかわされるものとなっていた。
まずロズベルグが、フェラーリがすぐに追いついてくることを望んでいると発言すると、ベッテルが次のように切り返した。
「うそだろ。まじめに言ってる? スピードを落としてくれるの?」
これに対し、ロズベルグは真剣にそう思っているのだとし、メルセデスAMGが今年ほかのライバルチームと戦うことになるのが「F1やファンにとって大切なことだからさ」と答えた。
ベッテルが再び、それであればメルセデスAMGは「マレーシアではガレージの中を公開すべきだよ」そうすれば「誰もが見ることができるから」と応酬すると、ハミルトンは次のように答えていた。
「来たければ来ていいよ。招待してあげるからさ。マレーシアで金曜日にね。OK?」
「じゃ、エンジニアルームでの会議にね。行くよ」とベッテルも笑いながら答えた。
当然ながら、そこに居合わせた記者たちは、その2人のやりとりは冗談に過ぎないと考えていた。
しかし、その後ロズベルグは母国ドイツの『Bild(ビルト)』紙に対し、あれはまったく冗談などではなかったのだと次のように語った。
「僕がフェラーリが僕たちとの差を縮めてきてくれればうれしいと言った時、セバスチャンは僕が本当のことを言っていないと思ったんだ」
「だから、僕は彼を招待したのさ。実際にうちに来て、僕たちが何をしているかを見てもらうためにね」
「僕は大きな視野で物事を考えているんだよ。フェラーリが強くなることがF1のためだってね。これについてはボスのトト・ヴォルフにも了解を得たよ。セバスチャンが来てもかまわないってね」
そう語ったロズベルグは、次のように続けた。
「というわけで、セブ(ベッテルの愛称)がこの記事を読んでくれることを祈っているよ。僕はここに正式に君をマレーシアで金曜日の午後4時から行う僕たちのエンジニア会議に招待するよ」
「君と会えるのを楽しみにしているよ!」
これを受けて、マレーシアで本当にベッテルがメルセデスAMGの会議に出席することになるのか? マレーシアGPの見どころがひとつ増えたようだ。