2015年F1開幕早々、エンジンを原因とするトラブルが集中するレッドブル。チーム関係者はルノーにカンカンで、技術主任エイドリアン・ニューイも例外ではない。
V6ターボが始まった昨年から苦戦を続けるルノーに、かつて強力なV10でウィリアムズ、次いでレッドブルと勝利をほしいままにした面影はない。今週末の開幕戦オーストラリアGPも、目を覆いたくなるような惨状だ。
いくら何でも去年より悪いとは。レッドブルの首脳は誰もが信じられないといった表情でルノーを非難する。
例えばチーム代表のクリスチャン・ホーナーだ。彼はイギリス『BBC』にこう話している。「こんなメチャクチャな話があるか。私には理解できない」
日ごろあまり感情を表に出さないニューイも、こんな具合だ。
「まったくもって解決のいとぐちさえ見つからない、この酷さはどうだ。あらゆるところが壊れまくる。もう、どうにもならない」
すでに両者の関係は終了間近ともいわれるが、その元になったのはヘルムート・マルコの発言だ。ルノーがトロロッソを買い取る方向で交渉がスタートしたというのである。
それよりまずは、身近な問題を解決するのが先だ。レッドブル・ルノーは2015年をいかに戦うのか。
「われわれも積極的に関わろうと努力している」とニューイ。「弱点は弱点として、この窮地を脱するのは可能だ。その一方で、弱みが明らかになったパートナーは、積極性を失ってしまう」
「どうもルノーは、われわれを避けているように見える」
F1パドックでは、こんなうわさもある。レッドブル自身がF1にへきえきしているというのだ。ニューイのイライラは頂点に達し、ついにはアメリカズカップでヨットを設計するため、F1から一後退してしまった。
ニューイがいうには、メルセデスと他メーカーでこれだけ性能差が大きくなった元凶はFIA(国際自動車連盟)だ。
「FIAは知らぬ存ぜぬで「自分たちの問題ではない」みたいな態度を取らず、もっと積極介入をすべきだ」
「簡単に諦められてはたまらない」とニューイ。「F1統括団体なら、それらしい仕事をしてほしいね」