昨年経営破たんに陥ったマルシャだが、新たな出資者が現れたことで、なんとか2015年のレギュレーションに合わせたクルマを用意し、メルボルンへと到着することができた。昨年までロシア籍であったマルシャは、今年は国籍をイギリスに換え、「マノー・マルシャ」という名称で正式にエントリーが認められている。
メルボルンで関係者が語ったところによれば、新たにマノーと呼ばれることになったチームのF1カーは、今年の新しいノーズ規則に合致するよう、2014年型車のモノコック前部をカーボンによってわずかに延長しただけのものだという。
マノーの2015年型車のカラーリングは、昨年同様白と赤を基調とするもので、今のところその車体に目立ったスポンサーロゴは入っていないと伝えられている。
マノーのチーム代表であるジョン・ブースは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「やることがたくさんあるんだ」
「我々は3週間のうちにFIAの新しいルールに適合させるため、フロント部分を設計し、製造してきた。それもたった6人のスタッフによってね」
チームの救済者となった出資者のスティーブン・フィッツパトリックは、2015年に向けた最初の目標は「生き残る」ことだとしている。だが、そのためにも、予選で107%ルールをクリアするということが次に大きな目標となりそうだ。F1競技ルールでは、予選Q1でトップとなったドライバーが出したタイムに対し、107%以上の差がついた場合には予選落ちとなってしまう。
昨年、ケータハムとともに常に最下位争いを繰り広げ、トップとのタイム差も大きかったマルシャ。今年はすでにほかのチームがテストで昨年よりも1周あたり数秒もタイムを縮めてきており、テストにも参加していなかったマノーが予選を通過するのは極めて困難だろうと見る者が多い。
ブースもそれを認め、次のように付け加えた。
「これからどうなるか様子を見るしかない。もしすべてがうまく行けば、夏休み後には本当の2015年型車を準備できるだろう」