アウディの会長であるルパート・シュタドラーが、同社がF1への参入準備を進めているのではないかとの質問に対し、それを明確に否定することはなかった。
フォルクスワーゲン・グループの傘下にあるアウディには、これまでたびたびF1参入のうわさがささやかれていた。だが、2014年4月までフェラーリのチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリが同社に加わり、F1参戦に向けた検討プロジェクトを指揮していることが判明したことにより、そうしたうわさが一層強くなってきている。
ドメニカリは最近、フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニに次のように語っていた。
「ああ、アウディが今後どういうレースで戦う計画をしているのかを聞きたいんだね?」
「インゴルシュタット(アウディ本部)まで来てくれよ。そうしたら教えるから」
そのインゴルシュタットで、アウディの年次記者会見が10日(火)に催された。そして、記者たちはそこでシュタドラーにF1参戦に関する質問をぶつけたが、それに対するシュタドラーの答えは次のようなものだった。
「取締役会は、非常に強力かつ詳細なモータースポーツ戦略を立てている」
「我々は、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)やル・マン(世界耐久選手権)などに参戦しているし、そこには(フォルクスワーゲン・グループ傘下の)ドゥカティやランボルギーニとの協力関係もある」
そう語ったシュタドラーは、次のように付け加えた。
「こうしたF1に関するうわさについてコメントするつもりはない」
シュタドラーは今週、スイスの『Blick(ブリック)』紙によるインタビューも受けているが、そこでも再びF1に関するうわさについての質問が向けられた。
「技術を市販車に展開していくにはル・マンが理想的な分野だと考えている」
「それに、そこではライバルにも不足しない。ポルシェ、プジョー、トヨタ、そして今年から日産も加わるからね」
シュタドラーはそう答えると、次のように結んだ。
「この点において、我々は今後数年間における自分たちのモータースポーツ活動計画を明確に定めている」