メルセデスAMG会長のトト・ヴォルフは、2015年もドライバー同士で自由にタイトル争いをさせる方針だ。
それより前、元F1世界王者ジャック・ビルヌーブも、メルセデスAMGは今年も上位を独占するよう願っていると語った。他チームのじゃまが入ってはメルセデスAMGからチームオーダーが出かねないからだ。
だがヴォルフによるとルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグに与えるマシンはまったく同じで、激しい接近戦も自由にさせるという。なぜならそれはメルセデスAMGの都合を超えた、いわばチーム「哲学」だからだ。
ヴォルフはフランス『AFP通信』に次のように語った。「われわれの哲学に対するアプローチを変えるつもりはない。ドライバーたちには、今までどおりに戦ってもらう。場合によっては困難だとしてもね」
「われわれやメルセデスのブランドだけではない、それがF1のためなのだ。彼らを互いに競わせたのは、それが重要なことだったからだ」
元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、そんなメルセデスAMGのアプローチを称賛する。過去トップに君臨したチームのいくつかは、ライバル関係にあるドライバーたちの扱いを誤った。
「昨年のドライバー起用法はF1にとって正しかった。何らF1ファンに恥じることはなかったと思う」と、ローレウス世界スポーツ賞の親善大使を務めるクルサードは同賞とのインタビューで語った。
ドライバーたちもそれは承知のうえだ。世界チャンピオンのハミルトンは、ロズベルグとの戦いが2015年もし烈極まりないものになると予想している。
「僕を倒すためなら、ニコ(ロズベルグ)はより厳しいトレーニングに耐え、より学び、日の光の下すべてをトライするに違いない」とイギリスのマスコミに語ったハミルトン。
かつて友人同士だった二人だが、昨年はバトルが高じて関係にヒビが入ってしまった。だが現在の仲は「とても良好」だとハミルトンはいう。
「それもシーズンが始まるまでだけどね」
「火花を散らしている最中に、多少の関係緊張化は気にしていられない。だって同じチームに激しい闘志を燃やすドライバーが二人揃っているんだから」
チームの会長ニキ・ラウダは、ハミルトン対ロズベルグの戦いは2015年、いっそう燃え盛ると予想している。
「二人の戦いは今年さらに激しさを増すだろう。ニコは、ルイスに追いつくためなら何だってする」とドイツのテレビ局『RTL』に語ったラウダ。
「ニコからのプレッシャーが増せば、ルイスは、お返しにより激しいプレッシャーをニコに与えるだろう」