F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、財政難にあえぐF1の小規模チームたちを救済するための危機管理対策を考案していたことを認めた。
2014年シーズンにはマルシャ(現マノー)とケータハムが経営破たんに陥ったが、ほかの小規模チームたちも同様の財政問題を抱えていると指摘されていた。そして、これを受けてエクレストンが「次善の策」を講ずることに取り組んでいるとも報じられていた。
そして、エクレストンが考案したアイデアとは、現在のF1を2つのグループに分けるというものだった。伝えられるところによれば、小規模チームにはもはや自分たちでF1カーを製造することを求めず、メカクローム社製V8エンジンを搭載したレッドブルの2年落ちF1カーを借りてレースをさせようというアイデアだという。これであれば、その費用は年間1,500万ユーロ(約19億6,000万円)ですむのだという。
だが、1か月前に報じられていたことによれば、その案はフェラーリ、メルセデスAMG、マクラーレンといったトップチームたちによって否決されてしまった。
エクレストンも、「いくつかのチームが、“それではF1ではない。そんなことをすればF1の格が下がってしまうだろう”と言っているよ」と語り、その事実を認めている。
だが、エクレストンは、そのアイデアは大衆には受け入れられると考えているようだ。
エクレストンは、『Daily Mail(デイリー・メール)』に次のように主張した。
「それによってレースの見方が変わるとは思わないし、レースの面白さだって変わらないよ。これによって大きな損害を受けることはなく、こうした(小規模)チームも利益を生むことができるようになるんだ」
「だが、大規模チームたちはそれによって(F1の)格が下がると言っている。彼らはこれまで非常に裕福な地域に住んでいたものの、この案を実現すると、より貧しい隣人たちの近くに住むことになるとでも考えているようだ」
「それは全くばかげたことだよ。誰だって戦うためにコーナーにつくことができるべきだ。FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)もその案で行きたいと考えているよ。チームたちはそれぞれにやりたいことが分かれているが、我々はF1を成功に導きたいと望んでいる」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「我々はエンターテインメントビジネスに従事しているんだからね」