F1公式エンジンサプライヤーであるルノーが、再び自らのワークスチームを擁してF1に復帰するために既存のF1チームを買収する可能性を否定しなかった。
ルノーは、直近では2010年までルノーF1チームとして参戦。2011年にロータス・ルノーGPとしてエントリーしたのを最後にチーム運営からは完全に手を引き、エンジンサプライヤーとしてのみF1とのかかわりを保っている。
2010年から2013年までF1タイトルを独占したレッドブルにエンジンを提供していたルノーだが、今後に向けた宣伝戦略などを考慮し、単にレッドブルのワークスエンジンサプライヤーにとどまらず、今一度自らのチームをF1に送り込むことを検討していると伝えられている。
その手段として、既存のF1チームを買収することも検討しているのではないかというのが最近のうわさだ。
ルノーのF1プロジェクトでアンバサダーを務めるアラン・プロストもこれを認め、スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「ルノーのような会社では、常に何が最善の戦略なのかを分析している。特に、F1のようなところへ再投資することを検討する場合にはね」
「だが、私には今がそれにふさわしいときかどうかを答えることはできない」
ルノーのF1プロジェクト責任者を務めるシリル・アビテブールは、いまだルノーでは現在の戦略を変更すると決めたわけではないとフランスの『RMC Sport(RMCスポール)』に次のように主張した。
「我々はエンジンサプライヤーであることに満足しているんだ。我々の目標はレッドブルを再びF1チャンピオンにすることだ」
だが、レッドブルではルノーのF1エンジンプロジェクトの進展ぶりには満足していないようだ。そしてルノー自身も、レッドブルにエンジンを供給しているということが自らの宣伝戦略においてはあまり効果を発揮していないと考えているのも事実だ。
アビテブールも次のように続けた。
「チームを買収する可能性も否定はしない。だが、まだそれも決まったわけではない」
「こうしたことは、長期戦略の一部だからね。我々はルノーにとって最善のスポーツ戦略を考えなくてはならないんだ」
「すべてのことに注意を払っていくよ。スポーツの発展や、そのために必要な財政面に関してもね」とアビテブールは結んでいる。