これまで、偉大なF1ドライバーの息子であることを隠しながらカートで戦っていたミック・シューマッハだが、今後はそういうわけにはいかなくなりそうだ。
かつて7度F1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーであり、現在は2013年末にスキー事故で負った大けがのリハビリが続けられているミハエル・シューマッハ。その息子である15歳のミック・シューマッハは、これまでシューマッハの息子であることが悟られぬよう、「ミック・ジュニア」というエントリー名でカート世界選手権などに参戦していた。だが、いよいよ今年からフォーミュラカーによるレースシリーズに挑戦することが明らかとなった。
シューマッハ二世は今年、FIA(国際自動車連盟)公認のドイツF4選手権に、オランダのファン・アーメルスフォールト・レーシングからデビューを飾ることになる。
同チームには、今年トロロッソからF1デビューを飾ることになった17歳のオランダ人ドライバー、マックス・フェルスタッペンが在籍したことでも知られている。
チームオーナーであるフリッツ・ファン・アーメルスフォールトは、『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。
「マックスがいなくても、我々はまだ“オランダのチーム”だ。今では突然、マックスがいたチームと呼ばれているがね」
だが、今後は“ミハエル・シューマッハの息子がいるチーム”と呼ばれることになりそうだ。
ファン・アーメルスフォールトも、有名なフェルスタッペンが在籍していたチームだということが、ミックと契約を結ぶにあたって有利な影響を及ぼしたことを認めている。
前述のように、ミハエルはいまだに脳に負った重いけがからの回復を目指してリハビリが続けられている状況であり、シューマッハの家族にとっても厳しい時期が続いていることは疑いようもない。
シューマッハの関係者は過去14か月にわたってプライバシーを守り続けており、現在もシューマッハの詳しい容体などは不明だ。
だが、今回のF4昇格が明らかとなったことで、当然ながら、ミハエルの息子である15歳のミックにメディアの注目が集まることは必至だ。
スイスの『Blick(ブリック)』紙が報じたところによれば、ミハエルのマネジャーであるザビーネ・ケームは、メディア関係者に対して次のような警鐘を鳴らしている。
「純粋にスポーツに関すること以外については、メディアが取り上げることを今後も容認することはできません」
「ミックはソーシャルメディアもやっていないんです」とケームは付け加えている。