ダニエル・リカルド(レッドブル)は以前、2015年F1ドライバーズタイトル奪取を高らかに宣言していた。
ところが彼は今、そんな自分の発言をやや疑問視している。「開幕戦メルボルンのフロントローは2台のメルセデスAMGだろうね」とバルセロナで自信ありげに語るリカルド。
彼に話を聞いたのは、冬季合同テストが終わる一日前の2月28日(土)。折しもパドックでは、最終日にエイドリアン・ニューイがサーキットを訪れるとのうわさが立っていた。
オーストラリアGPに投入する最新バージョンのRB11をチェックしに来るに違いない。もっともリカルドの話では、それもメルセデスAMGを脅かす存在にはならないという。
「彼ら(メルセデスAMG)はまるで異次元の存在だ」とリカルド。2014年、メルセデスAMGの二人(ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトン)以外に優勝を経験したのは彼だけだ。
レッドブルの2015年型者は昨年のマシンよりいいと話すリカルド。パワーを増したルノー・エンジンにドライバビリティの問題も浮上したが、それも改善した。
「それでも、まだまだがんばらないと」とリカルド。
現在、彼の予想は、トップがメルセデスAMG。次いで「フェラーリ、ウィリアムズ、あるいは僕らだ」
27日(金)にニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が見せた速さはパドックで驚きを持って迎えられた。翌28日(土)も僚友ルイス・ハミルトンがトップタイムをたたき出した。
ウィリアムズの技術責任者パット・シモンズはいう。「ほとんどの人たちと同様、私も金曜日のタイムには驚いた」
「メルセデスAMGのマシンがどれだけ優秀かは、われわれにも想像がつく」とドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』に語ったシモンズ。「それはそれは印象的だった」
「その次に速かったのはわれわれ、フェラーリ、そしてレッドブルだ。マシン性能でその3チームはとても接近していると思う」
メルボルンでメルセデスAMGに次いでゴールするチームはどこだろう。答えは2週間後に出る。他にも疑問点はある。メルセデスAMGとの差だ。
「メルセデスAMGが何をしてきたか分からないのが辛いところだね」というのは、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナー。彼は、フィンランド『MTV3』に次のように語った。
「この冬、ただ足元を見つめていただけではないはずだ。そのくらいは分かる」
「もしメルボルンで彼らが50馬力増しなんてことになったら、私たちは皆お手上げだ」と警鐘を鳴らすホーナーだった。