ベッテル「メルセデスAMG速すぎ！」
ヘレスで4日、バルセロナで4日。数日空けて同じバルセロナでまた4日。これまで淡々とプログラムをこなしてきたメルセデスAMGが27日（金）、ついに実力の片りんを見せた。
昨年は成功を欲しいままにしたチームだ。速くて当然だろう。だが会長トト・ヴォルフによると、彼らは決してW06のポテンシャルを隠してきたわけではない。
「われわれのプログラムは最初から計画されていたものだ」
「他チームは他チームで、われわれと少し異なる取組みをしてきたかもしれないが、（2015年も）われわれの優位は変わらないはずだ」とヴォルフ。
メルセデスAMGのライバルたちが何度も聞かされているセリフだ。
最後のバルセロナF1合同テスト2日目、ニコ・ロズベルグ（メルセデスAMG）は、この日2番手タイムのバルテリ・ボッタス（ウィリアムズ）をいとも簡単に1秒以上引き離してみせた。
しかもロズベルグのタイヤはソフトだった。さらに速いスーパーソフトなど必要ないのだ。
ショックだったのはボッタスだ。
「彼らが速いのは誰もが知っている」とボッタス。「それも並みの速さじゃない。手が付けられないね」
もしかすると、上位チームの中でもフェラーリあたりがひと冬でメルセデスAMGとの差をグッと縮めることに成功したのではないか。以前はそのように考える関係者もいた。
フェラーリはこれまで一貫して冷静に来たるシーズンの見通しを立てているが、27日（金）、ロズベルグが見せたここ一発の速さにセバスチャン・ベッテルは、「驚くしかない」とお手上げ状態だ。
同じ日、100周を超える周回数をマークしてこの冬、最高の一日を過ごしたマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトン。彼もまた、メルセデスAMGのペースは「信じられない」というしかなかった。
3ヶ月前に最終戦アブダビGPで演じた速さを、メルセデスAMGはまた開幕戦オーストラリアGPで見せつけるつもりだろうか。ベッテルはいう。「もし彼らがあの走りを再現できなかったら、そのほうがずっと驚きだ」
「ただし彼らの後方については、ちょっと分からない」とベッテル。
ところで、2015年型車の完成が遅れに遅れていたフォース・インディアは27日（金）、ようやくVJM08をデビュー。ニコ・ヒュルケンベルグのドライビングで順調に77周を走った。
