マクラーレンが、2015年シーズンの参戦を目指すマノー(旧マルシャ)に支援の手を差し伸べることになったと報じられている。
2014年までマルシャと呼ばれていたマノーだが、マクラーレンも技術提携の名のもとに同チームに技術支援を行ってきており、その巨額の代金が未収となっている。だが、マノーに新たな出資者が現れたことで、債権者たちは、マルシャがその債務の支払いを延期することに同意。マクラーレンもこれまでのマノーとの契約条件を見直し、支援を続行していくことを決めたものだ。
マノーでは、現在2015年型車の製造を急ピッチで進めているが、マクラーレンでは支援の一環として、マノーにウォーキングにあるマクラーレンの風洞施設を使用させることになっている。
マクラーレンでは、これはマノーの復帰を支援することが目的であって、それ以上のことは考えていないと強調している。だが、風洞テスト時間が厳しく制限されているという現状のもと、マクラーレンではマルシャを実質的な「Bチーム」として、風洞テストを自分たちに有利に利用することをもくろんでいるのではないかとのうわさもささやかれている。
だが、あるライバルチームのエンジニアが、そうした憶測はナンセンスだと語った。
「完全に違うクルマで使われるパーツによる風洞テストでマクラーレンがどんな利益を得られるって言うんだい?」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語った匿名のエンジニアは、2007年のマクラーレンの「産業スパイ事件」を引き合いに出しながら、次のように続けた。
「加えて、そうした風洞テストにはFIA(F1統括団体である国際自動車連盟)のモニターが備えられるんだ。だから、何年か前に1億ドル(現在のレートで約119億円)もの罰金を支払ったことのあるマクラーレンがそんなことを考えるはずがないよ」
だが、話はそれで終わらない。
マノーでは最近、昨年の最終戦でケータハムからF1デビューを飾ったウィル・スティーブンスとドライバー契約を結んだことが明らかとなった。そして、マノーにはもうひとつ空席が残っている。
最新のうわさによれば、その最有力候補となっているのが、マクラーレンの育成ドライバーであり、GP2シリーズへ出走するかたわら、マクラーレンのテストドライバーも務めるストッフェル・ファンドールネではないかと言われている。
マクラーレンには、マノーをBチーム化することにより、2016年以降にホンダエンジンを搭載させたいと考えているようだとのうわさもあり、このしたうわさもまだしばらく続くことになりそうだ。