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マクラーレン・ホンダ、時間との戦い

2015年02月21日(土)12:01 pm

F1で勝利を争うチームにとって、昨年、頭痛の種だった新V6ターボのトラブルは過去のもの。二年目の2015年は、メルセデスAMGに付けられた大差を縮めるシーズンとなる。

マクラーレンも、昨年は苦しんだチームのひとつ。2015年はホンダと組んでワークスチームに返り咲き、大いなる活躍をイメージしていたはずだ。

しかし、マクラーレン・ホンダのプロジェクトは始まってみると試練の連続だ。次から次へと襲い来るトラブル。F1に復帰した日本人技術者たちは、革新的な設計のMP4-30に積まれた新時代「パワーユニット」の複雑さを思い知った。

冬季合同テスト期間の半分が終了した20日(金)、マクラーレンのレーシング・ディレクター、エリック・ブーリエは、バルセロナで次のように語った。「われわれは予定から半分も遅れている」

それでも20日(金)は、まだいい方だ。チームの新エース、フェルナンド・アロンソは約60周を回り、これまでの最速タイムから1秒4の差まで詰めたからだ。

アロンソは報道陣に、次のように話した。「初めてマシンが持つポテンシャルの一端が垣間見えた。いい気分だ」

これぞマクラーレンが待ち望んだ日だ。テスト初日の19日(木)はエネルギー回生システムのパーツに不具合が見つかり、20日(金)も困難が予想されていたからだ。

アロンソは打ち明ける。「ジェンソン(バトン)がトラブったのを見て、少し悲観的になってしまった。でも今日は、僕らが正しい道を歩んでいることを証明した」

ただ彼は同時に、マクラーレンを取り巻く現状にも現実的だ。

「正直にいって、早く前に進みたかった。(テストの)残りは六日。その後は開幕戦メルボルン(3/13-15)だ。僕らは出遅れている」

「競争相手は、僕らに比べて一年と19戦の実績があるんだ」

「僕らは、去年の開幕戦前のレッドブル並みだよ。願わくば、最初のレースは6月がいいな!」というアロンソのコメントを掲載したのは、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌だ。

「しかし、この状況で1分25秒9(のラップタイム)は立派だ。昨年のスペインGPでマクラーレンの最速ラップは1分27秒3だった。従って、今日はとてもよくやったといえる」とアロンソ。

よい知らせばかりではない。アロンソが指摘したとおり、20日(金)に走った9チーム中、マクラーレンの周回数は最少だ。「もっとがんばらなければ。一刻も早くマシンについて学ばないと」

テストプログラムが既に半分ほど遅れていると認めたブーリエ。彼も、急激に迫る開幕戦オーストラリアGPに焦っている。

「準備期間が十二日あって半分を失ったら、100パーセントの状態になるはずはない」と打ち明けたブーリエ。

「だが、昨年に比べてマシンの挙動は大きく異なると申し上げよう。ドライバーの二人もうれしそうだよ。特にジェンソン(バトン)は旧車をよく知っているだけに、ひとしおだ」

「フェルナンドも不満はなさげだね。いい兆候だ」と語るブーリエだった。

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