昨年に続き、レッドブルはトラブル含みでシーズンをスタートするのでは。そんな報道にチーム代表のクリスチャン・ホーナーが反発している。
最終的に2014年F1コンストラクターズ世界選手権を2位で終えたが、前年までタイトルを総なめにしたチームらしさは霧散。V6ターボ新時代の初年度、エンジンパートナーのルノーが大ブレーキとなって開幕は最悪の出足だった。
その結果ルノーは大々的な立て直しを行い、2015年に向けてパワーユニットを大幅に改良した。ところが先週、スペイン・ヘレスで行われた最初のF1合同テストでエースのダニエル・リカルドは、総合12位のタイムにとどまった。
新チームメートのダニール・クビアトは、さらについていなかった。迷彩色に塗られたRB11は、マクラーレン・ホンダより速かったのがせめてもの救い。周回数では、テスト初日をスキップしたロータスの方が多かったぐらいだ。
またもやレッドブルは開幕からトラブルに見舞われるのか?そのような憶測をホーナーは敢然とはねのける。
「(ヘレスでの)テストは、一年前よりずっとよかった」と彼はイタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌に語る。
「多少のトラブルが生じたのは事実だ。だが、2014年のそれとは比べものにならない。あの時は、止まっているか火に包まれるか、どちらかだった」
先週起きたトラブルのほとんどは、ルノーの改良版V6ターボに起因するものだという。ホーナーは次のように話す。「最大の変更点はパワーユニットだ」
「ルノーは取り組みを続けているが、テストでは必ず何かがおかしくなるものだ。それが普通だよ」
だが『Autosprint(オートスプリント)』のロベルト・キンケロ記者はいう。しっかりシャッターが閉じられたレッドブルのガレージ内で、何かが起きているのだと。
ルノーV6ターボ改良にあたっては、レッドブルの要望によってマリオ・イリエンがプロジェクトに加わった。かつてメルセデスのF1エンジンを手がけ、タイトルの栄光へと導いた大物だ。それにパワートレインを専門とするオーストリアの会社AVLもアシストに付いている。
キンケロ記者の報告によると、イリエンの手によるアップグレードが次のバルセロナ合同テストで試される。その上で、「ルノー・スポール製のパワーユニットか、あるいはイリエンのそれを使うか決めるのだ」
イリエン加入は「完全なパワーユニット内製を可能にする組織立ち上げの第一歩となり得る。メルセデスAMGやフェラーリと同じく、やがてはマシン全体をレッドブルだけでつくり上げるのだ」