セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の2015年用ヘルメットが、母国ドイツの偉大な先輩ミハエル・シューマッハのものに似ているといった話が持ち上がった。ベッテル側は否定している。
問題にしたのは、イタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙とドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌の二媒体。白を基調としたベッテルの新しいデザインは、シューマッハが1980年代中盤のカート時代に被っていたものと酷似していると指摘したのだ。シューマッハはベッテルのアイドルで、心の師でもある。
だが、ベッテルのヘルメット・デザインを数々手がけるイェンス・ミュンサーは、ベッテルと2015年用の意匠を考案中、シューマッハを意識したことはないと次のように語った。
「あれは、意図的にデザインをシンプルにしたものだ」とドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌に話すミュンサー。
「いちばん最初にフィオラノでフェラーリをテストしたときの仮デザインを二人とも気に入ってね。さらにセバスチャン(ベッテル)の意向でドイツ色を加えた。より判別されやすいというんだ」とミュンサー。シューマッハがフェラーリ時代に着用した赤いヘルメットをデザインしたのも彼だ。
ベッテルのアシスタントを務めるブリッタ・レスケは、ミュンサーもベッテルも、1980年代のカート時代にシューマッハが被っていたヘルメットについて何の知識もなく、新ヘルメットをデザインしたものだと話している。
「中心をずらして前から後ろにストライプを走らせたのは、私のアイデアです」とレスケ。
「もともと私は、異なる二色をヘルメットにあしらいたかったのです。ところがセバスチャンは、去年11月(アブダビ合同テスト)に着けた白のヘルメットがとても気に入ったというじゃありませんか。従って、それをキープしました」
興味深いことに、新しいトリコロール(三色)帯のうち赤は、まさしくシューマッハにゆかりの色だ。シューマッハの赤いヘルメットと同色である。デザイナーが同じミュンサーだけに無理もない。