F1ドイツGPの火を消してはならぬ。そんな思いからニュルブルクリンクが新たなオファーを持ちかけた。
F1パドックは、ドイツに関係する企業や個人が数多い。たとえばメルセデスAMG、ニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテルなどだ。ニュルブルクリンクもホッケンハイムも今年はF1を開けないとするバーニー・エクレストンに対して、彼らは口々に懸念を表明している。
ドイツ系ばかりではない。スコットランド人で元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、次のようにいう。「F1の屋台骨や歴史を忘れてはならない」
「F1には古くからのレースがいくつかある。イギリス、イタリア、モナコなどだ。ドイツも、まさにそのうちのひとつだよ」と彼はドイツの電子スポーツメディア『Spox(スポックス)』に語る。
ところが現にドイツでは、しばらくテレビ視聴率もサーキットの観客動員数も下降気味だ。そのためホッケンハイムも赤字を抑えるのに四苦八苦している。
ニュルブルクリンクは、所有権の問題でサーキットを維持できるかどうかの瀬戸際だ。
ところが同サーキット広報のカルステン・シューマッハは、ドイツGPを取り巻く不安を解消すべく、バーニー・エクレストンに提案を持ちかけたことを明らかにした。正式な2015年F1カレンダーによると、輪番制のドイツGPは今年、ニュルブルクリンクの担当だ。
「バーニー・エクレストンにオファーを出した。彼の反応を待っているところだ」とシューマッハは、ドイツ『Motorsport Aktuell(モータースポーツ・アクチュエル)』誌に語った。
どんな提案だろうか。シューマッハによると、エクレストンが「自ら主催者になる代わり、全収入の取り分を握る」ものだ。
エクレストンが同意するかどうかは不明だが、「伝統の」レースを守るためにF1は柔軟性を持つべきだとクルサードはいう。
「ニュルブルクリンクのようなサーキットは、何が何でも世界選手権に残なければならない」とクルサード。
「そのためには平等感を欠く扱いも許されるべきか?私はイエスと答える。もちろんビジネスの観点からもね。F1はビジネスなんだ。結局は誰かが動かしていかなければならない」