F1新人の取り扱いについて、年齢と経験値を重視する方向にシフトしたFIA(国際自動車連盟)。そのきっかけとなったマックス・フェルスタッペン(トロロッソ)は、一定の理解を示している。
あと一ヶ月で2015年開幕戦オーストラリアGPがやってくる。そのとき彼はハイメ・アルグエルスアリ(2009年トロロッソ:19歳4ヶ月)を抜いて、F1史上最年少ドライバーの記録を塗り替える。年齢は17歳5ヶ月だ。
トロロッソがフェルスタッペンと契約したのを受けてFIAは、2016年からスーパーライセンスの規則を一新。てはじめに、18歳未満のドライバーをF1から締め出した。
オランダ『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙は、フェルスタッペンのこんな発言を掲載した。「15歳や16歳でF1は無理だ。カートに乗ったほうがいい」
「FIAの方針は分かるよ。でも、僕は契約できてホッとしている」
その反面フェルスタッペンは、将来的に自分のようなドライバーまでつまみ出すのはどうなんだろうと次のように話す。
「才能ある者にF1のチャンスを与えないのはよくない」
「もしこのような規則が昔にあったら、キミ・ライコネンのようなビッグネームはF1に上がれなかったはずだ」
「準備の段階は人によってそれぞれだ。僕を見てほしい」とフェルスタッペン。彼の父ヨスは、22歳でF1デビューを果たしている。
「子どもの頃からF1が目標だった。カート時代は、僕も父もF1以外に脇目もふらず努力してきた。僕からF1を取り上げたら、他になにも残らないよ」
それほどの準備を重ねたとはいえ、昨年夏にトロロッソからのオファーが降って湧いたら、たじろいでしまったとフェルスタッペンは打ち明ける。
「F1の準備ができているかどうかなんて、実はステアリングを握ってみるまで分かりっこないんだ」
「その意味で、僕はリスクを背負って契約したんだ。だって、それまで1メートルもF1マシンを動かしたことがなかったんだから。ただ、フリー走行で経験を積ませるとトロロッソはいってくれた。ノーとはいいづらい条件だ」