脱税ほう助の疑いが持たれ、大揺れの英金融大手HSBC。同行の顧客リストに名前が載っているというフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は、訴訟も辞さない構えだ。
きっかけは、HSBC元従業員から世間の明るみに出た告発書類だ。その人物の名をとって「ファルチアニ文書」と呼ばれるその書類には、数多くの顧客が名指しされている。そのうち数千人がHSBCを使って預金をオフショアに移し、税金を逃れたとされる。
仏『Le Monde(ル・モンド)』をはじめとする大手各紙によると、同じリストにはミハエル・シューマッハ、フラビオ・ブリアトーレ、ヘイキ・コバライネンの名もあるという。
スペイン『EFE通信』は、アロンソが4,200万ドル(約50億円)を四つの口座に分けて預金していると批判。これに対して彼は、今回の報道で評判に傷がついたとして、訴訟に持ち込む勢いだ。
アロンソは現在、ドバイ住まい。彼に近い関係者は、次のように話す。「税務当局からは何のアプローチもない。以前から帳簿には一点の曇りもないからだ」
『EFE通信』によると、一連の報道を受けてアロンソは「数件の訴えを起こすよう」指示したという。
アロンソとコバライネンのマネージャーでもあったルノー(現ロータス)の元チーム代表ブリアトーレも、この報道には怒り心頭だ。彼はこう話している。「HSBCの口座は何年も当局に申告していて、課税問題はいちども起こしたことがない」
ブリアトーレは、九つのHSBC口座に合わせて6,400万ユーロ(約86億4,000万円)を預けているという。