5日(木)にパリでF1の意思決定機関であるストラテジー・グループの会議が行われたが、そこでホンダに対するシーズン中のエンジン開発枠拡大が否決されたと報じられている。
本来、現在のエンジンルールによれば、2月末に統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のホモロゲーション(認定)を受けた後はエンジンのパフォーマンス改善につながる開発は凍結されることになっていた。
だが、そのルールに抜け穴があることがフェラーリやルノーによって発見されたことで、今シーズンはシーズン中にも開発の継続が認められることとなった。
FIAでは当初、今年からマクラーレンにエンジン供給を開始するホンダに関しては、公平性の観点から、ほかのエンジンメーカーに昨年適用したように3月以降の開発を凍結するとの見解を示していたが、その後マクラーレンやホンダとの協議の結果、ほかのメーカーには32枚の開発トークンが与えられているが、開幕戦(オーストラリアGP/3月15日決勝)の時点で各メーカーが残したトークン数の平均値を基準としてホンダにもシーズン中の開発が認められることとなった。
だが、マクラーレン・ホンダでは、ほかのメーカーとまったく同じ扱いとすることを希望しており、そのFIAの決定にもまだ不満を持っていると報じられていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えたところによれば、5日に行われたストラテジー・グループの会議において、マクラーレン総帥であるロン・デニスが、ホンダにもさらに多くの開発トークンの使用を認めるよう強く求めたものの、ライバルチームによってこれが否決されたという。
今年からエンジンサプライヤーとしてF1に復帰し、マクラーレンにワークスエンジンの供給を開始することとなったホンダだが、2月1日(日)からスペインのヘレスで4日間にわたって行われた最初の公式シーズン前テストではフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンの2人を合わせて合計で79周しかできなかった。
開幕戦であるオーストラリアGP(3月15日決勝)までには、まだあと2回合計8日間のテストが残されているものの、シーズン中の開発に大きな制限を受けることになるマクラーレン・ホンダが非常に厳しい立場に置かれていることは間違いない。