昨年経営破たんに陥ったものの、2015年のF1シーズンに2014年型車を使って出走することを目指していたマノー(旧マルシャ)が、その要請を拒絶されたことをF1最高責任者のバーニー・エクレストンが認めた。
マノーのF1復帰に向け、イギリスの大手スーパーマーケットであるセインズベリーの前経営責任者ジャスティン・キングが手を差し伸べ、チームの管財措置も解除されることになったと報じられていた。
2015年型車の開発を行っていないマノーでは、今年F1に参戦するには2014年型車を使うしかない。しかし、5日(木)にパリで行われるストラテジー・グループ(F1の意思決定機関)の会議ではマノーが旧型車でエントリーすることが拒絶されるだろうと言われていた。マノーがその条件での参戦が認められるためには、全チームの賛成が必要となる。
そして、会合を終えたエクレストンは、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトを通じて『Independent(インデペンデント)』に次のように語った。
「彼ら(マノー)は昨年のクルマでのエントリーを望んだが、それは認められなかった」
「そのためには全チームから合意を得ることが必要となるが、3つか4つのチームが首を縦に振らなかったんだ」
これまでに、レッドブルやそのジュニアチームであるトロロッソもマノーの復帰を認めないという立場を取るようだと報じられていたが、『BBC』はフォース・インディアもそうしたチームのひとつだったと指摘している。
フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙によれば、マノーの復帰を認めることに賛成票を投じたのはメルセデスAMGとフェラーリだけだったという。
こうした結果となった理由について、エクレストンは次のように説明を行った。
「彼ら(マノー)が受け取るべきだった金(2014年度の賞金)は、参戦しているほかのチームに分配されることになる。それが大きな理由だと考えているよ」
「恐らく、ほかにも昨年型のクルマを使いたいと考えていたチームもあるだろう。だが、困ったことに、こういうことは1チームだけで決めることはできず、全員の承認が必要となるんだ」
一方、『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』は、今回の会議ではこの件以外に現在のF1エンジンの馬力をさらに向上させる案についても議論されたと報じている。だが、少なくとも2016年までは現行のV6ターボが使用されることになるようだと記事は付け加えている。