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マクラーレン・ホンダ、文化の違いも障壁に?

2015年02月05日(木)16:49 pm

1日(日)から4日間にわたってスペインのヘレスで行われた今年最初のF1公式シーズン前テストでは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンの2人のドライバーによって合計79周しか行うことができなかったマクラーレン・ホンダだが、抱えている課題は単に馬力や空力といったことだけではなさそうだと報じられている。

スペインの日刊スポーツ紙である『Marca(マルカ)』は、マクラーレンとホンダが20年以上も前に大きな成功を築いたという事実はあるものの、現在再び文化の違いを乗り越えていかに共同作業を行うかということを学んでいるところだと指摘している。

■文化や言語の違いに適応することが必要だとブーリエ

その記事の中で、マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは次のようにコメントしている。

「メカニックとエンジニアのグループがクルマに取り組んでいるが、どのようにホンダの技術者とともに作業を進めていくかということも学んでいるところだ」

「そのうち彼らも変わるだろうし、全員が学ぶことになる」

『Marca(マルカ)』は、イギリスのチームであるマクラーレンと、日本のエンジンメーカーであるホンダの間にある文化的、言語的な障壁を克服するための努力が続けられていると書いているが、フランス出身のブーリエもそれを認め、次のように語った。

「以前、メルセデスとやっているときは、ドイツ人もいたがイギリス人も何人かいた。だが、今は日本人だけだし、それに適応することが求められるんだ」

■文化の違いは確かにあるとバトン

こうした文化的な障害を克服するカギになるのがバトンかもしれない。

バトンは2006年にホンダのワークスチームで自身初となるF1での勝利をあげた経験を持っていることに加え、パートナーも日本人モデルである道端ジェシカだ。

そのバトンは、「彼ら(日本人)の文化的なことについても知っているよ」と語り、次のように続けた。

「彼らが“イエス”と言っても、それが僕たちがそう言うときと常に同じ意味だとは限らないというのは本当さ」

スペイン出身の元F1ドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、かつて日本のGTシリーズやフォーミュラカーシリーズで戦ったこともあり、日本人の仕事のやり方についてもよく知っている。そのデ・ラ・ロサも次のように語った。

「コースに出て何周かしたあと、彼らにフロアあるいはウイングを変更してくれるよう頼んだときのことを思い出すよ。彼らは“イエス、イエス、イエス”と言っていた。だけど、再びコースに出てみるとクルマは何も変わってなかったよ」

■それほどの問題ではないとエンジニアリングディレクター

だが、マクラーレンのエンジニアリングディレクターであるマット・モーリスの見方は少し違うようだ。モーリスによれば言語や文化的違いによる壁はそれほど高くはないという。

「上級エンジニアも、このサーキットに来ているすべてのエンジニアも、上手に英語を話すよ」

公式テストが行われたヘレスで『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったモーリスは次のように付け加えた。

「我々が日本を訪れているときでさえ、言葉が問題となったことはないね」

そのモーリスは、ヘレスでの最初のテストではマクラーレン・ホンダにとって厳しい試練が待ち構えていたもののメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)までにはあと8日もテストが残されており、心配はしていないと次のように続けている。

「ホンダでは、ほとんど毎日のように新しいものを持ち込んでいる。それはバルセロナ(次回のテスト)でも同じだろう」

そうコメントしたモーリスは、次のように付け加えた。

「我々は内々にメルボルンに向けた目標を設定しているが、まだその計画に基づいて進んでいるよ」

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