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明暗くっきり。ヘレステスト初日

2015年02月02日(月)18:09 pm

1日(日)にスペインのヘレスで始まった今年最初のF1公式シーズン前テスト初日は、明暗がはっきりと分かれる形となった。

■アドバンテージを見せつけたメルセデスAMG

初日に圧倒的な安定感を見せつけたのは2014年のチャンピオンチームであるメルセデスAMGだ。ライバルチームのエンジニアたちがガレージの中で忙しい作業に追われている中、初日に2015年型車W06のステアリングを握ったニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は1周4.428kmのヘレス・サーキットで157周ものラップを重ねた。シーズン最初のテスト初日にこれほどの周回を重ねることができたのは、F1の歴史においても前例のないことだろう。

最近トレーニング中に足にけがを負ったメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、松葉づえをつきながらこのテストに参加している。だが、その痛々しい姿とはうらはらに初日の結果には大いに気をよくしているようだ。

ヴォルフは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にほほ笑みながら次のような冗談まで語ったと伝えられている。

「今日は我々の秘密を明かすことにしよう。実はル・マンの耐久レースにも出たいと思っているんだ」

そして、この日ヴォルフや非常勤会長であるニキ・ラウダと契約延長交渉に臨んでいたとみられる2014年のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトンも「明日は180周したいね!」と笑いながら付け加えた。

■かたや満足に走行できないチームも

その好調メルセデスAMGとは逆に、今年復活したマクラーレン・ホンダはトラブルに見舞われてしまい、初日にはフェルナンド・アロンソがわずか6周しかできずに終わっている。昨年は最初のテストでルノーエンジンがトラブルを抱えて出遅れてしまったが、十分な時間をかけて開発を行ってきたはずの今年のホンダも、まずは出だしでつまずいてしまった形だ。

さらに、このテストを欠場しているフォース・インディアに関しては、財政難と、それに伴うサプライヤーとの問題が発生しているようだとのうわさがヘレスのパドックでもささやかれている。

また、ロータスの2015年型車であるE23は、テスト初日にはサーキットに姿を見せず、マシンが到着したのは1日(日)の夜になるとチームは発表していた。

ロータスのロマン・グロージャンは、母国フランスの『RMC Sport(RMCスポール)』に次のように語った。

「初日には走らないであろうことは予想されていたんだ」

「月曜日(2日)もどうなるか分からない。でも、最後の2日間には走行を行うよ」

「僕たちは開発を推し進めていたけれど、パーツの到着が予定よりも遅れたんだ。でも、昨年より状況はましだよ」

■フェラーリエンジン、今年は好調?

一方、今年フェラーリに移籍したセバスチャン・ベッテルが大方の予想を裏切って初日のトップタイムを刻んだことに驚かされた者も少なくない。ベッテル本人も、フェラーリの新車SF15-Tの信頼性がメルセデスAMGに匹敵するほどのものであればもっと満足できただろうとしながらも現地の記者たちに次のように語った。

「彼ら(メルセデスAMG)はすごく速いし、彼らが昨年ほどの速さを見せないことを期待するだけだよ」

「僕たちの今年の目標は、彼らとの差を縮めることになる」

さらには、2014年には1ポイントも獲得できずに終わったフェラーリエンジンユーザーのザウバーが初日に2番時計を刻んでベッテルに続いたことも驚きだったと言えるだろう。そのザウバーの2015年型車C34のステアリングを握ったのは、昨年ケータハムで小林可夢偉のチームメートだったマーカス・エリクソンだ。

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、フェラーリでは昨年よりもエンジンパワーを最大80馬力ほど改善できたようだとしており、それが本当であれば、フェラーリはもとより、フェラーリエンジンを搭載するザウバーも今年は昨年よりもいいレースができるという期待ができそうだ。

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