F1公式エンジンサプライヤーであるルノーが、2015年にはその差をできる限り縮めることを目指している。
ルノーのF1エンジン責任者であるシリル・アビテブールは、2014年シーズンにはタイトル獲得エンジンとなったメルセデスに対し、ルノーエンジンのパワーが大きく劣っていたことを認めている。
アビテブールは母国フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュス)』に次のように語った。
「シーズン終盤において、我々のエンジンとメルセデスの差はおよそ60馬力だったと見積もっている」
だが、そのルノーと、やはり2014年は苦戦を強いられたフェラーリでは、エンジン開発凍結ルールに抜け穴があることを指摘することで2015年にはシーズン中にもエンジン開発の継続をFIA(F1統括団体である国際自動車連盟)に認めさせることに成功している。
「メルボルンでの開幕戦(F1オーストラリアGP/3月15日決勝)の時点から、その差を半分に縮められるんじゃないかと期待しているよ」
そう語ったアビテブールは次のように続けた。
「メルセデスとは違って、我々は2015年型エンジンでスタートすることになるし、レッドブルとトロロッソも同じものが供給される」
「今日までに、我々は許容された32のトークン(開発引換券のようなもの)うち、ほぼ3分の2を使用している。我々の今年の目標は少なくとも5レースで優勝することだ」
2014年シーズンには、そのルノーエンジンを搭載したレッドブルのF1カーでダニエル・リカルドがメルセデスAMGのドライバー以外では唯一、3度の優勝を果たしていた。エンジン対決という意味では、昨年はメルセデスの16勝3敗という結果だったわけだが、巻き返しを狙うルノーとフェラーリ、そしてそこにホンダも加わることになる2015年シーズンがどういう展開となるのか興味が持たれるところだ。
それを占う最初の機会となる今年最初のシーズン前テストは、今週末の2月1日(日)からスペインのヘレスで始まる。