ボルボがフォーミュラE参戦を検討
スウェーデンの自動車会社であるボルボが世界的なフォーミュラカー選手権への参戦を視野に入れていると報じられた。だが、それはF1ではなく、フル電動フォーミュラカーによるフォーミュラEシリーズだとのことだ。
ボルボは、すでにスカンジナビア・ツーリングカー選手権やオーストリアで開催されているV8スーパーカー・シリーズへ参戦している。だが、ボルボのマーケティング担当副社長であるアラン・ヴィセールは、最近ボルボがモータースポーツへのかかわり方を再考していることをほのめかしている。
ヴィセールは、『Auto Motor und Sport（アウト・モートア・ウント・シュポルト）』のスウェーデン語版に次のように語った。
「ランドローバーやジャガーを見てごらん。完全なプレミアムブランドであり、レースは行っていない」
「レースが我々のDNAに合致するものかどうか、まだよく分からないんだ。ボルボは安全性と低燃費を売りにしなくてはならないからね」
だが、近年ではF1やWEC（世界耐久選手権）などの世界最高峰のレースシリーズも、安全性や低燃費を重視したものへと変わってきている。
「そうだね」とヴィセールは続けた。「だが、それにかかる金額はまた別格だ」
「私に言わせればル・マン（WEC）は、参戦するにはもっともばかげたシリーズだよ。1台のクルマを造るのに2,000万ユーロ（約27億2,000万円）もかかるのに、メディアで取り上げてもらえるのは24時間だけなんだからね！」
そう語ったヴィセールだが、フル電動フォーミュラカーで争われるフォーミュラEについてはボルボも興味を持っていると認めている。
「それには注目しているよ。まだ何の決定もされていないが、それについて検討していることは確かだ」
「観戦者数やメディアの報道はまだかなり限られたものではあるが、このレースのコンセプトは間違いなく成長すると私は信じているよ」
「我々はこのシリーズを非常に慎重に観察しているし、突っ込んだ分析も行った。だが、まだ結論は出していない。限られた予算しかない場合、その金をどこに投資するかということについては慎重に考えなくてはならないからね」
そう述べたヴィセールは、次のように付け加えた。
「ほかのモータースポーツとの比較で言えば、フォーミュラEのほうが投資に見合うものだと言えるよ」
