2014年のF1最終戦アブダビGPでケータハムからF1デビューを飾り、日本人ドライバーの小林可夢偉のチームメートとしてレースに臨んだウィル・スティーブンスが、ル・マン・シリーズと呼ばれるWEC(世界耐久選手権)への転向を視野に入れていることが明らかとなった。
昨年、経営破たんに陥り、管財人による清算手続きに入ったケータハムだが、2015年以降への生き残りをかけて最終戦アブダビGPに出走するために、インターネットを通じたクラウドファンディング手法による資金調達を行っていた。ケータハムは結局最終戦出場を実現したが、スティーブンスが持ち込んだ資金もその上で重要な役割を演じていたと考えられている。
イギリス人ドライバーのスティーブンスは、2014年にはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズにエントリーしており、ランキングは6位で終えていた。
そのスティーブンスが、ロシアの『f1news.ru』に次のように語った。
「(ケータハムからの)オファーがきたとき、僕はそのチャンスに両手で飛びついたよ」
「僕はチャンスをうまく生かさなくてはならなかった。あのクルマに乗るのは初めてで、F1レースに出るのも初めてだったにもかかわらず、素晴らしいドライバーである小林可夢偉にもそれほどの後れはとらなかったよ」
そのスティーブンスは、生き残りを目指すケータハムの活動に協力していることを示唆しつつも、次のように続けている。
「うまく進むようにできることはすべてやっているよ。でも、もしそれがうまくいかなければ、LPM1の可能性についても検討しているんだ」
LMP1とは、プロトタイプレーシングカーで争われるWECの最高峰カテゴリーだ。2014年には元レッドブルのマーク・ウェバーがポルシェから参戦したことも話題となったが、今年はフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグがF1活動と並行しながら、ウェバーのチームメートとして有名なル・マン24時間に参戦することになっている。