2014年には全19戦中16勝と圧倒的な強さを見せつけたメルセデスAMGだが、同チームのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、だからと言って2015年シーズンに向けて気を抜くわけにはいかないと主張した。
オーストリアのスキーリゾートで休暇を楽しんでいるヴォルフだが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対して次のように語った。
「リラックスし始めたら、負け始めることになる」
「新たなルールが導入された昨年と比べて、今では改善の余地も小さくなっているし、ライバルたちも我々の強みが分かっており、我々を打ち負かすために必要なことに集中しているからね」
そのメルセデスAMGのライバルたちは、少なくともサーキット外での戦いを有利に進めることができたようだ。
現在のルールではエンジン開発が凍結されることになっており、昨年にはいったん承認を受けた後は実質的にエンジンの開発は厳しく制限されていた。だが、後手に回ってしまったライバルエンジンメーカーのルノーやフェラーリがこの凍結の「緩和」を求める動きを続けていた。そして、2015年に関しては32枚のトークン(これと引き換えに一定の開発が可能となる権利)を使うことで年間を通じて一定の開発継続が可能となることとなった。
ヴォルフもそれを認め、次のように続けた。
「すべてはルールの解釈次第だからね。FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が示した見解について、私は何も問題はないと思っている」
「もちろん、リードしている方から見れば2月でエンジン開発が凍結されるのがベストだよ。しかし、我々だって開発を続けることができるんだ」とヴォルフは付け加えている。