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批判的な元F1ドクターにFIAから圧力

2014年12月22日(月)21:12 pm

元F1ドクターのゲイリー・ハートスタインは、現在務めているベルギーの病院に対してハートスタインを解雇するようFIA(国際自動車連盟)から圧力があったと自身のブログで告発している。

アメリカ人のハートスタインは、1997年から故シド・ワトキンス博士の助手としてF1の医療活動に携わり、ワトキンス博士の後を継いで2005年から医療チームの責任者を務めた。その後2012年末でFIA会長ジャン・トッドが契約を更新せず、現在はリエージュ大学病院に勤務している。

ハートスタインによると、先週その病院に、FIAインスティチュート会長のジェラール・サイヤンが訪問し、ハートスタインの上司である学部長と会談したという。

サイヤンはトッドやミハエル・シューマッハと親しく、昨年末のシューマッハのスキー事故や今年のジュール・ビアンキの事故でも病院に出向いていた。

■FIAインスティチュート会長訪問の目的

ハートスタインは自身のブログで、サイヤンとトッドへの「公開書簡」として次のように書いている。

「あなたやあなたのボスのやり方を人々に知ってもらうことが大事だと思う。あなたはここへ、私を解雇させるためにやってきたのだ」

「家賃を払ってくれている職場から私が解雇されることを、あなたとあなたのボスは望んでいる。25年間働いてきた職場からだ」

ハートスタインは、シューマッハのスキー事故のあと、情報をほとんど提供しない姿勢をブログで批判していた。またビアンキの事故についても、FIAの事故調査に批判的な意見を述べている。

そうした内容のブログと、シューマッハの妻コリーナからハートスタインに宛てたメールをプリントアウトしたものをサイヤンは「証拠書類」として持参し、学部長に見せたという。

しかし、ハートスタインはこのメールを受け取っておらず、アドレスも自身のものとは違うと述べている。2012年末にFIAの契約を更新しない旨をメールで伝えてきたのはサイヤン自身であり、アドレスを知っているはずだとハートスタインは示唆している。

「あなたは、このブログが仕事の契約違反にあたるのではないか、それゆえ、私を解雇する理由になるのではないかと問題提起するためにここにやってきた。少なくとも、私を黙らせる理由にはなるだろうと」

■法に訴える構えも

ハートスタインは、ブログはあくまで個人的な意見を述べたものであり、その内容が「経験と推測によるもの」であることは明確にしてきたと反論している。

「逆に、“プライバシー”と“言論の自由”という言葉が浮かんでくる。単なる道義としてではない。あなたは、その法律を犯す一歩手前にいる」

「気をつけた方がいい。あなたが学部長に手渡した“証拠書類”について、私は弁護士に問い合わせた。あなたは法律上とても危険な橋を渡っている」

「こう言えば分かるだろう。黙って引き下がり、自分の身を案じたほうがいい」

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