フェラーリの組織改革は「見事だ」とライバルエンジニア
フェラーリが最近行っている革命的とも言える「組織再編」に関して、中には混乱の現れだと受け止めている者もいる。
だが、2015年シーズンからマクラーレンに復帰ことになった元トロロッソのデザイナーであるルカ・フルバットは、フェラーリの新チーム代表マウリツィオ・アリバベーネによるここまでの組織再編は「見事だ」と評価している。
フルバットによれば、中でも非常に印象的だったのがトロロッソのシートを失ったジャン-エリック・ベルニュをテストドライバーとして迎えたことだという。ベルニュのフェラーリ加入に関しては驚いたF1関係者も少なくない。
■ベルニュの獲得はよい判断だった
フルバットは、フェラーリの専属ジャーナリストであるレオ・トゥッリーニのブログの中で、次のように語っている。
「ジェブ（ベルニュの愛称）は速いし、彼はファイターだ。レースでは、彼は決してあきらめるようなことはしない」
「中にはフェラーリがなぜ（ダビデ）リゴンや（ラファエレ）マルチェロなどにオファーしなかったのか不思議に思っている者がいることも知っている。だが、私はそれについて非常に合理的な説明ができると思っているよ」
そう語ったフルバットは、次のように続けた。
「今日では、残念ながらルールによってサーキットでのテストが許されていない。だから非常に若いドライバーや全くの（F1での）新人は客観的にみて不利なんだ」
「ベルニュは3シーズンの経験を持っているし、シミュレーターでも（エンジニアのリカルド）アダミとともに多くの作業をこなしてきた。彼（アダミ）はベッテルとともにマラネロ（フェラーリ）へと移っているしね」
■アリバベーネは明快な組織づくりを目指している
さらに、フルバットは次のように続け、フェラーリの組織再編におけるアリバベーネの手腕を評価している。
「遠目にではあるが、私にはアリバベーネはフェラーリが必要としているものについて非常によく理解しているという印象がある。レース部門のレベルで行われている改革は見事だよ」
「私の意見だが、アリソン（ジェームス・アリソン／テクニカルディレクター）のような人物に実権を持たせたのはよいことだ。彼はこのビジネスにおいて最高レベルの人材だし、イタリア語も話すからよく理解もされるだろう」
「私には、アリバベーネはチームをピラミッド型の構造にしようとしているように思える。そこでは役割と責任が明確なんだ。これは心強いことだし、明快であるだけに、結果も付いてくるだろう」
そうコメントしたフルバットは、次のように締めくくっている。
「マクラーレンで働く者がこう言うのも変かもしれないが、私は心から（フェラーリの成功を）期待しているよ」
