レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、セバスチャン・ベッテルのフェラーリ移籍について『BBC』に語った。
4年連続でチャンピオンを獲得してきたベッテルだが、今年はチームメートのダニエル・リカルドに敗れることが多かった。そのせいで移籍せざるを得なくなったと思うかと聞かれると、ホーナーは「おそらく1つの要素ではあると思う。だが、タイミングがセバスチャンにとってちょうど良かったんだ」と答えた。
「きっと彼は、"もう27歳だ。フェラーリに乗らずにキャリアを終えたくない。移籍する素晴らしいチャンスだ"と思ったんだろう」
「フェラーリの魅力は誰にとってもとてつもなく大きなものだ」
■移籍決断は夏休み後
ベッテルが移籍を決断したのは、F1第12戦ベルギーGPから第13戦イタリアGPの頃だろうとホーナーは話している。
「セバスチャンのことはよく知っている。夏休みのあとは気が散っているのが分かったし、何か考えていることがあるのは明らかだった」
「フェラーリは熱心に彼を誘っていたんだろう。スパ(ベルギーGP)やモンツァ(イタリアGP)の辺りで、来年は違うことをしようと決めたのだと思う」
第15戦日本GPでベッテルのレッドブル離脱が発表されたときは世界中が驚いたが、ホーナーはベッテルから移籍を打ち明けられたときも驚かなかったという。
「シンガポール(第14戦)の頃には、すっかり別人のような感じでリラックスしていた。もう決断していたんだと思う」
「だから大きな驚きではなかったよ」
■新しいF1に苦しんだベッテル
今年からV6ターボエンジンに変わったF1についてベッテルは批判的だった。ホーナーはこの点についてこう話す。
「彼は変わったF1が好きになれず、それをはっきり言っていた。エンジンも音もクルマの感触も気に入らなかった」
「最初はかなり動揺していたが、いったんもう変わらないと気づいてからは考えを変えて、今まで通り熱心に取り組んでいたよ」
「だが、クルマが自分の望んだような動きをしないことに非常にいらだっていた。それにひき換え、チームメートは何度か優勝し、以前の自分と同じレベルのパフォーマンスを発揮していたんだ」
ホーナーは、今年の新ルールで一番苦しんだのは、「セブとキミ(ライコネン/フェラーリ)のようだ」と話している。