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F1ボスのエンジンルール変更案に対し、メルセデスAMGが代案を用意か

2014年12月16日(火)17:59 pm

これまでかたくなにエンジン開発「凍結」ルールの緩和に対して反対の立場を取り続けてきていたメルセデスAMGが、これに妥協する姿勢を示すことになりそうだと伝えられている。

今季、メルセデス製エンジンに大きく差をつけられたフェラーリとルノーを味方につけたF1最高責任者のバーニー・エクレストンは、18日(木)に予定されているF1の意思決定機関であるストラテジー・グループの会議において、2016年には再び自然吸気エンジンに戻すことを提案すると主張している。

エクレストンはこれまでにも今季から導入されたV6ターボエンジンに関しては、その音量やコスト、そして複雑性に関して不満を表していた。だが、現時点における最大の問題は、もし現在のルールがそのまま維持されることになれば、メルセデスAMGの圧倒的な競争力による優位性が2020年まで続いてしまうのではないかと懸念されていることだ。

■メルセデスAMGだけが勝つのはF1にとって望ましいことではない

エクレストンは先週、ロンドンで行われたメディアとのインタビューにおいて次のように語っていた。

「我々は全員が金を出しあってメルセデスAMGが来年もF1タイトルを取ることに賭けることだってできる。それは、まったくもって我々が望んでいるようなことではないんだ」

エクレストンが、2016年から再びかつての自然吸気エンジンに戻すことを提案するという強硬な動きを見せているのは、フェラーリやルノーが現在のエンジン開発「凍結」ルールを2015年には緩和することを求めたものの、メルセデス側がこれに合意しなかったことによるものだ。

現在のルールの緩和に対して首を縦に振らなかったメルセデスは、ストラテジー・グループでの投票結果によっては2016年にはそうしたルールが完全に撤廃されてしまうかもしれないという事態を迎えることになってしまった。

F1の商業権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の代表であるエクレストンは、先週次のように説明していた。

「いいかい、我々(FOM)は6票持っているんだ。だから、あと4チームがそうしたいと望めばそれで10票になる。全部で18票だから、そうなれば我々のほうが多数ということだ」

■こうした状況を受けメルセデスAMGも妥協案を提示か

これまで、もしも現在のエンジンルールが変更されることになればF1から撤退することになるだろうとしていたメルセデスAMGだが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、こうした状況を受けてメルセデスAMGもその姿勢を見直すことになりそうだと次のように報じている。

「メルセデスAMGの内部関係者は、彼らが今季大成功を収めた複雑なハイブリッドシステムをライバルチームにも供給するという提案を行うことをほのめかしている」

もちろん、そこにV6ターボエンジンそのものが含まれることがないのは明らかだが、「これにより、ライバルたちは今後何年もメルセデスAMGが1人勝ちを続けることを心配する必要はなくなり、現在のルールもそのまま維持されることになるかもしれない」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は続けている。

現在、F1ではすでにマクラーレン製の電子コントロールユニットが標準仕様として指定されており、全F1チームがこれを導入しているという実績もある。その記事によれば、メルセデスとしては今後、同社が製造するハイブリッドシステムを、マクラーレンのシステムと同じように、F1の標準システムとして採用するよう提案を行うだろうとされている。

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