F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、フェラーリはF1がV6パワーユニットの導入により新たに迎えた2014年シーズンに乗り遅れたものの、チームを大改革するようなことは避けなければならないと語った。
FIA会長への就任以前、フェラーリのチーム代表として7度F1チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハとともにフェラーリを黄金時代へと導いたトッドは、キミ・ライコネンがフェラーリ最後のF1チャンピオンとなった2007年シーズン後にその地位を退いていた。
そのフェラーリにとって、2014年はまさに激動の年となった。元チーム代表のステファノ・ドメニカリの更迭を皮切りに、前会長のルカ・ディ・モンテゼモーロ、前チーム代表のマルコ・マティアッチと立て続けにチーム首脳陣が去るとともに、ナンバー1ドライバーとして5年在席したフェルナンド・アロンソもすでに離脱している。
だが、トッドはイタリアの放送局『RAI』に対し、フェラーリにはリフレッシュが必要だったものの「革命的な変化」を伴わない範囲でそれを行うべきだと語っている。
「フェラーリは病んでなどはいないよ。そう言うのは大げさすぎる」と、トッドは主張。
「我々は誰もが、フェラーリが世界で大きな人気を持っていることを知っている。ましてやイタリアではなおのことだし、非常に感情的な問題に発展している」
「こうした強い関心によって、ときどきフェラーリがほかのチームよりも急いで決断をしてしまうということがあるんだ」
そう述べたトッドは、さらに続けた。
「フェラーリは、ちょっと疲労がたまっており、医者に診てもらう必要がある人のようなものだと言えるだろう」
「こうした状況について、詳細まで分析する必要があるし、改善に向けた計画を策定することが必要だ。だが、革命的なことは行わずにね」
「勝利することはフェラーリの歴史の一部をなすものだ。だが、常に勝ち続けることはできない。我々が連戦連勝の状況になり始めたとき、多くの者からレースをする前から結果が見えているから、勝ち続けることにも飽きてきたのではないかと言われるようになったことを思い出すよ」
「本当のところは、どちらの状況に置かれたにせよ、満足感などはないものさ」とトッドは付け加えた。
68歳となるトッドはさらに、フェラーリの新チーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネを称賛するとともに、2015年からフェラーリドライバーを務めることになるセバスチャン・ベッテルについても「最高レベルのドライバー」だとの評価を行っている。