マクラーレンの最高責任者であるロン・デニスが、フェラーリから移籍してきたフェルナンド・アロンソがマクラーレンとの契約の中に「解除条項」を盛り込んだという報道を否定した。
そうした報道によれば、アロンソはマクラーレン・ホンダの2015年型車が一定のレベルに到達しなかったり、あるいは2016年にメルセデスAMGのシートを獲得するチャンスが生まれたりすれば、2015年シーズン終了とともにマクラーレンを去ることが選択できるようにしたいと考えているためだとされている。
■アロンソとの契約に「解除条項」などはないとデニス
だが、デニスは、スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に対し、アロンソとは確実な「3年契約」を結んでいると主張し、次のように付け加えた。
「契約解除条項などないし、最近、メディアが勝手に報じていたようなそのほかの条件などもないよ」
だが、アロンソはかつて2007年にマクラーレンに加入したものの、その年にマクラーレンからF1デビューしたルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)との関係悪化や、俗に「スパイゲート」の呼び名で知られる産業スパイ事件などのスキャンダルが発生したこともあってわずか1年でチームとの契約を解除したという経緯がある。
■アロンソとマクラーレンは今度もうまくいかないだろうとビルヌーブ
元F1ドライバーであり、1997年のF1チャンピオンでもあるジャック・ビルヌーブは、今回もマクラーレンとアロンソがさらなる問題を抱える可能性も小さくはないと考えているようだ。
「もしうまくいけば、素晴らしいことになるだろうね」
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったビルヌーブは、次のように続けた。
「でも、もしうまくいかなければ、6か月もすれば面倒な状況を迎えることになるんじゃないかな」
ビルヌーブは、アロンソの性格からすればそうなるはずだと主張している。だが、アロンソの友人でもある元F1ドライバーのロバート・クビサは違う意見を持っている。
■アロンソにとって最高のチャンスだとクビサ
クビサは、フェラーリ専属ジャーナリストであるレオ・トゥッリーニの『Quotidiano(クオティディアーノ)』のブログへのインタビューに次のように答えている。
「僕はアロンソとは友達なんだ。彼がフェラーリにいたときには、自分が定めた目標を達成するために最善を尽くしていたに違いないよ。そして、これからは彼にとって新たな、素晴らしい挑戦が始まるんだ」
「もし彼がマクラーレンをトップ争いができるところにまで復活させることができれば、彼のキャリアの中でも最高の輝きを持つ成果となると思うよ」
■1年目から活躍できることはないだろうとアロンソ
アロンソ本人も、マクラーレンに関しては1年という短期プロジェクトとしてとらえているわけではなく、その目標を達成するためにはもっと時間がかかるだろうと考えていることを認めている。
アロンソは、スペインの『EFE通信』に対して次のように語っている。
「最初のシーズンは勉強ということになるだろう。ここまでの2、3年、マクラーレンにはものすごく競争力があったわけではないからね」
「いい冬を過ごせるよう期待している。そして、競争力が付き始め、いろんなことを学び、表彰台に上り、そしていくつかのレースで優勝することができるようになればうれしいね」とアロンソは付け加えた。