1990年台中盤から2000年台初旬にかけて活躍していたドイツ人元F1ドライバーのハインツ-ハラルド・フレンツェンが、現在は霊きゅう車の運転手を務めながら、手術を受けたひざの回復に努めていることが明らかとなった。
1999年にジョーダン・無限に在籍していたフレンツェンは、2勝をあげ、シーズン終盤までタイトル争いの候補に残るという活躍を見せていた。結果的にはランキング3位でこのシーズンを終えたものの、フレンツェンにとっては最も輝かしいシーズンだったと言えるだろう。
1994年にザウバーでのF1デビュー以後、ウィリアムズ、ジョーダン、プロスト、アロウズなどで活躍し、2003年シーズンを限りにF1を引退していたフレンツェンも現在は47歳。最近もドイツのGTマスターシリーズに参戦していた。
だが、ドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』紙が報じたところによれば、フレンツェンが2015年にレースカーに乗るのは無理かもしれないという。それは、手術を受けたひざのリハビリを行わなくてはならない状態だからだという。
その記事によれば、フレンツェンは1999年のカナダGPフリー走行中にクラッシュし、ひざに負傷を負っていたが、以後その後遺症に悩まされ続けていた。そして、今年そのひざにメスを入れたのだ。
「僕のひざはまだ腫れた状態で痛むから、注意しておかないとならないんだ」
手術後のひざの状況をそう語ったフレンツェンは、「ブレーキを踏む方の足なんだけど、GPマスターズではすごく強くブレーキを踏む必要があるんだよ」と続けている。
リハビリを行う間、フレンツェンは生まれ故郷であるメンヒェングラートバッハに戻り、家業である葬儀場の仕事を手伝うことになると伝えられている。
「それは本当だよ」と認めたフレンツェンは次のように続けた。
「僕はF1をやっているときでさえ、ときどき父の仕事を手伝っていたんだ。そして今は妹のナディン-ニコルの手伝いをしているよ」
彼らの父であるハラルドは、今年亡くなっている。
『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』によれば、フレンツェンの仕事のひとつは、メルセデスEクラスを改造した霊きゅう車の運転だという。
「僕は実質的にはリタイアしているし、現時点では2015年にレースができないことを気にしてはいないんだ。でも、(今後レースをすることが)絶対にないとは言えないけれどね」とフレンツェンは締めくくっている。