マクラーレンの2015年ドライバー・ラインアップは、何の新情報もないまま、またしても一週間が過ぎようとしている。
4日(木)に英ウォーキングのチーム本拠地で行われた取締役会から一夜が明けた5日(金)、いよいよフェルナンド・アロンソとそのチームメートが発表されるのではと、ふたたび期待は膨らんだ。
しかし、相変わらずジェンソン・バトンとケビン・マグヌッセンの処遇は決まっていない。
チーム広報は次のように述べた。「ドライバー決定に関する発表は、どんなに早くとも来週まで行わない」
まるで、さらに一週間以上、発表が遅れるかもしれないとでもいいたげだ。
22才のF1ルーキー、マグヌッセンは、母国デンマーク『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデット)』紙に、次のように語った。「訳が分からないよ。クリスマス前までに何とかして!」
彼とバトンは4日(木)、二人のどちらかにとって最後のチーム公式行事となったスポンサー主催のイベントに出席。その後マグヌッセンは、ツイッターで次のようにつぶやいた。「JB(バトンの愛称)と時間が過ごせて、すごく楽しかった」
「彼は素晴らしい人間だ。来年何があろうとも、僕は彼を応援する」
いったいマクラーレンに何が?ロン・デニス、マンスール・オジェ、バーレーン企業のいずれも株主がスポンサーシップやチームの指揮を巡って揉め、ふだんは表舞台にでない別の株主がそれに巻き込まれたとの話もある。
表向きにマクラーレンは、次のように述べるのみだ。「チームとしてこれ以上、話すことはない」
F1世界王者のバトンを人質に、今後の活躍が期待される新人マグヌッセンのキャリアをも危険にさらす行為だと、マクラーレンに対する世間の批判は厳しい。
英国レーシング・ドライバーズ協会(BRDC)会長のデレク・ワークィックは5日(金)、イギリス『BBC』ラジオに出演。特にバトンに対する仕打ちは「あんまりだ」と吐き捨てた。
イギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙のダニエル・ジョンソン記者はいう。「チームプレーヤーに徹し、多大な尊敬を集める世界チャンピオンのバトンをなぶりものにするマクラーレンは、恥を知るがよい」
「ロン・デニスとバトン側は、二週間前のF1最終戦アブダビGP以降、何のやりとりも交わしていない。しかし、それも驚きはしない」
「F1復帰に多大な投資をしているホンダがこれをどう思うかは、知る由もない」