マクラーレンではウォーキングにある本部で4日(木)に取締役会が行われた。伝えられるところによれば、すでに来季のドライバーとなることが確定しているフェルナンド・アロンソのチームメートとして、現在の2人のドライバー、ジェンソン・バトンとケビン・マグヌッセンのどちらを残留させるかということが話し合われたと考えられている。
このため、4日中にはマクラーレンが何らかの発表を行うのではないかと世界中が期待の目を向けていた。
だが、ブラジルの『Globo(グローボ)』は、マクラーレンの広報担当者が4日の夜に次のように語ったと報じている。
「取締役会は今日行われた。だが、2015年の我々のドライバーラインアップに関しては何も決定されなかった」
2009年のF1チャンピオンであり、15年のF1経験を持つベテランドライバーのバトンは、その日、現在置かれた自分の立場を象徴するかのように無表情な「顔マーク」だけをツイッターに投稿している。
200万人近いフォロワーの1人は、「うわぁ、何があったの?」と返信している。
34歳のバトンがその「顔マーク」を投稿したのは、チームメートのマグヌッセンとともにマクラーレンのスポンサー行事に参加した後だった。ひょっとすると、バトンにとってはこれがマクラーレンでの最後のイベントとなる可能性も高い。
「今は変な感じだよ」とバトンは認めた。
「僕はいい人間だけど、もう決定して欲しいよ」
「結果を聞きたいんだ。みんなもそうだろうけどね。そうすれば、どういう方向に進むにしろ、動きが取れるんだ」
これまでに報じられていることによれば、マクラーレンでは現在内部的に今後の支配構造に関して内紛に近い状態が起こっているようだとされ、その先行きがかなり不透明になってきているとも言われている。
そんな中、マクラーレンの最高責任者であるロン・デニスと、レーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、マクラーレンが育成してきたマグヌッセンを残すべきだと主張しているようだ。だが、デニス以外のマクラーレンの主要株主であるマンスール・オジェや、バーレーンの国営投資会社は、アロンソと経験豊かなバトンを組ませたいと考えていると考えられている。
バトンは、マグヌッセンについて次のように語っている。
「今後チームメートとして一緒に働くことができないというのはすごく残念だよ」
「だけど、僕たちは2人ともこうした状況に関しては大人として対応しているし、どういう結果になってもどちらもうまく対処できると思うよ」
スペインの『Marca(マルカ)』は、マクラーレンは5日(金)にも来季のドライバー体制を発表するのではないかとしている。