2014年のF1シーズンは、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が自身2度目となるF1タイトルを獲得して終わった。一時期はそのハミルトンをリードしていたニコ・ロズベルグが最終的に敗れてしまうこととなった転機が、8月に行われたF1第12戦のベルギーGPだったとメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)が語った。
そのベルギーGPの舞台となったスパ・フランコルシャンでは、ロズベルグがハミルトンのクルマに接触。タイヤを痛めたハミルトンはリタイアに追い込まれていた。
この一件で、ロズベルグはメルセデスAMGの首脳陣から非難やしっ責を受けていた。さらに、ライバルであったハミルトンはこれは「戦争だ」と断言するや、続く第13戦イタリアGP以降5連勝を飾ることになった。
ヴォルフも、一時は波に乗っていたロズベルグだったが、このスパが転機となったようだと『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「スパは、ニコにとって非常に難しいレースだった」
「恐らく、彼は何が正しいことで、何が間違ったことなのかも分からなくなって混乱していたんじゃないかな」
「我々はもう一度その状況に関して話し合いを持ったほうがいいかもしれない。2015年にはこうした状況に置かれてもうまく対処してほしいからね」
「我々は、チームとして、そうした問題に常に的確に対処できていたわけではないことも認めざるを得ないよ」
だが、ヴォルフは、今年はハミルトンが通算2回目のF1タイトルを手中に収めたものの、来シーズンもロズベルグがハミルトンを負かすことができないという理由はないと次のように続けた。
「ニコは今年、自分の得意分野ではルイスに勝っている。それは予選だ」
勝利数においては今季ハミルトンが11勝をあげたのに対し、ロズベルグは5勝に終わっている。だが、予選では11対7でロズベルグのほうがハミルトンを上回っていた。
「彼(ロズベルグ)はルイス・ハミルトンをとらえ、F1チャンピオンとなるために必要な資質はすべて備えているよ」とヴォルフは結んでいる。