来季、4年連続F1タイトル獲得という記録をもつセバスチャン・ベッテルの後任としてF1デビュー2年目にしてトップチームであるレッドブルのシートを獲得したダニール・クビアト(トロロッソ)が、自分はリラックスしていると主張している。
今年20歳になったばかりのクビアトは、昨年下位カテゴリーのGP3のタイトルを獲得すると今季一足飛びにトロロッソからF1デビューを飾っていた。そして、来季はフェラーリへ移籍したベッテルの後任としてレッドブルへの昇格が決まっている。
そのクビアトは、すでにその心構えはできていると『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
■自分の能力を信じてもらえた
「ヘルムート・マルコ(レッドブル/ドライバー育成責任者)とクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)が僕の仕事ぶりを見ていたんだ」
「彼らは選択を迫られた。そして、どうやら僕の能力を確信してくれたようだ」
「もし彼らに少しでも迷いがあれば、僕は2015年もトロロッソに残ってもっと経験を積まなくてはならなかっただろうね」
「みんなが信じてくれるというのはとてもいい気分だよ」とクビアトは付け加えた。
クビアトは4年連続F1チャンピオンのベッテルの後任となるわけだが、実際には来季はダニエル・リカルドのほうがレッドブルの“ナンバー1”ドライバーであるとみなされることになるだろう。クビアトと入れ替わりにマーク・ウェバーの後任として2014年にトロロッソからレッドブルに昇格したリカルドは、レッドブルでの最初の年にもかかわらず、ベッテルを大きく打ち負かす活躍を見せた。
■うまくやれなければトップチームに残ることはできなくなる
2015年に自分がレッドブルでどういう活躍ができると思うかと質問されたクビアトは、次のように答えている。
「僕たちのスポーツでは何が起こるかを予想することはすごく難しいんだ。だから、現時点では(何を言っても)ただのお話にしか過ぎないからね」
「僕にはこれ以上持てないほどの自信があるし、落ち着いているよ。でも、どんな問題が僕を待ち受けているかなんて分からない」
クビアトは、来シーズンが自分のF1キャリアにおいて重要な意味を持つ年になることはもちろん分かっている。
「順調なシーズンになればいいと思っているし、そこでは攻めるチャンスも出てくる。ミスは可能な限り少なくしたいと思うけれど、同時に自分の能力を最大限に発揮してみせることも必要だ」
「どうなるか、様子を見よう。僕は自分を信じているし、その信念を裏付けていきたいと思っている。もしそれに失敗すれば、トップチームに長く居座ることはできなくなるだろうね」
■ただ自分の最高の走りをすることが目標
どうしてそれだけの自信が持てるのかと尋ねられたクビアトは、次のように答えた。
「自分とトップドライバーたちを比較する機会があったんだ」
「何度もジェンソン・バトン(マクラーレン)やキミ・ライコネン(フェラーリ)と争ったよ。マクラーレンやフェラーリが最高の状態ではなかったとは言え、戦いは戦いだからね」
だが、クビアトは来シーズンに向けて具体的な目標を設定するつもりはないと次のように続けた。
「2015年には特別な目標を設定するつもりはないんだ。どれだけポイントを獲得したいとか、6回表彰台に上りたいとか、あるいはいつまでに初勝利をあげたいとかね。僕はただ自分自身の最高の走りを見せたいと思っている」
「僕はそういう姿勢でF1での初めてのシーズンをトロロッソでスタートしたし、ここまではすべてうまくいったよ」とクビアトは締めくくった。