レッドブルが今シーズン限りでチームを離脱したセバスチャン・ベッテルに、かつてF1タイトルを獲得した際に乗っていたF1カーのうち1台を記念にプレゼントすると発表した。
昨年4年連続F1タイトル獲得という偉業を達成したベッテルとレッドブルの長期にわたった契約も先週の金曜日(11月28日)をもって正式に解除された。ベッテルはその後すぐにフィオラノ・サーキットでフェラーリの2012年型車でのテスト走行を行っている。
しかし、ベッテルは今週あらためてミルトンキーンズにあるレッドブルのファクトリーを訪れた。そこでレッドブルによるベッテルの送別会が開かれたのだ。
ドイツ国旗があしらわれた会場ではプレッツェル(ドイツの焼き菓子)がふるまわれ、ベッテルにはさまざまなお別れのプレゼントが贈られた。その中にはエスプレッソカップやペアの赤いスピード社製水着など、イタリアやフェラーリの赤をイメージしたものも含まれていたという。
さらに、レッドブルは次のような発表を行った。
「彼がタイトルを獲得したF1カーのうち1台も彼のガレージを目指すことになる」
だが、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、天才F1カーデザイナーと称されるエイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)が設計したF1カーがすぐにベッテルの手にわたることはないだろうとし、その理由を次のように述べている。
「それがマラネロ(フェラーリ本部)へ持ち込まれて欲しくはないからね」
だが、ベッテルは、ホーナーやニューイのスピーチを聞き終えると、まだ少年だったころから彼を育て上げてくれたレッドブルと別れることで非常に感傷的になっていると認め、次のように語った。
「ものすごい情熱と献身があった。全員に心からお礼を言いたい」
「結局、僕たちがよりよいチームだったので、よいクルマを手に入れることができていたんだ。ありがとうという言葉では、今僕が感じている気持ちを言い表すことはできないよ」