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エンジンウォーズ、来季もすでにメルセデスの勝利が確定?

2014年12月02日(火)20:09 pm

メルセデスエンジンが圧倒的な強さを示して終わった2014年のF1シーズンだったが、来シーズンの開幕前にライバルであるルノーやフェラーリがその差を縮めるのは難しそうなことがだんだん明らかとなってきている。

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今季メルセデスにたたきのめされた形となったルノーとフェラーリでは、2015年に向けて現在のエンジン規則によって定められている開発の「凍結」を緩和するよう求めて強く働きかけていた。

■凍結緩和は自分たちにとって有利だとメルセデスAMG

だが、メルセデスAMGのエンジン責任者であるアンディ・コーウェルは、ライバルであるルノーやフェラーリが現在のルールに対して不満を述べたところであまり意味はないだろうとスペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』に次のように語った。

「状況は明白だよ」

「(凍結が緩和されれば自分たちも)1年をかけてエンジンを開発することができるし、次のシーズンが始まるときには素晴らしく進歩したエンジンでレースを戦うことができる」

「我々の競争相手が大きな前進を果たすためには、非常に多くの開発をこなさなくてはならないんだ」

■後手に回ったルノーとフェラーリ

そんな中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ルノーやフェラーリにとっては、2015年シーズン用のパワーユニットを大幅に改善するための時間はすでになくなりつつあると指摘している。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、ルノーもフェラーリも、2月末に設定された凍結の最終期限までに、許容された範囲でエンジン開発を行うための「トーケン」をすべて使い切ることさえできそうにないという。「トーケン」とはエンジンの仕様変更引換券のようなもので、あらかじめ一定の枚数が各メーカーに発給されているものだ。

「彼らは2015年用エンジンの開発を始めるのが遅すぎた」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は書いている。

メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、不思議そうな顔をしながら次のように語ったと伝えられている。

「なぜ彼らはすでにメルボルン(2014年の開幕戦オーストラリアGP)のころから始めていなかったんだろう? 彼らが大きく後れをとったことは分かっていたはずなんだが」

■メルセデスのレベルに追いつくのは無理だとレッドブル

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、ルノーの場合は、現在はエンジンの大家として知られるマリオ・イリエン(エンジンメーカーであるイルモア・エンジニアリングの創設者)のアドバイスを受けてはいるものの、メルセデスエンジンのレイアウトを模倣するための時間をすでに失っていると指摘。一方、フェラーリのほうは、2015年にはよりメルセデスに似たレイアウトを採用してくるようだとしている。

ルノーから実質的なワークスエンジンの供給を受けるレッドブルだが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはすでに来季も勝ち目はないといった趣旨の発言をしている。

「我々は少しだけパフォーマンスが改善することを期待している」と『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に語ったホーナーは、「メルセデスのレベルに届かないことは分かっているよ。でも、その差を縮めたいと思っている」と付け加えた。

■フェラーリもすでに敗北宣言?

フェラーリも、2015年も苦戦が続くだろうと予想している。

フェラーリではメルセデスAMGのエンジン責任者であるコーウェルの引き抜きを図ったものの失敗に終わったようだと伝えられている。その一方で、現在フェラーリのチーフデザイナーを務めるニコラス・トンバジスはチームを離脱することになると考えられている。

11月29日(土)にフィオラノ・サーキットで初めてフェラーリの2012年型車での走行を体験したセバスチャン・ベッテルは、そのときのことを「魔法のようだった」と形容していた。

だが、フェラーリのあるエンジニアは、フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニに対して次のように語った。

「こういうふうに気分が高揚しているときになんだが、我々はセブ(ベッテルの愛称)とキミ(ライコネン)に対して、彼らが乗る2015年型車ことをあらかじめ謝っておく必要があるのを忘れてはならないよ」

■ハッキネンもフェラーリに警鐘

ライコネンは、2015年には新たなレースエンジニアと組むことが明らかとなっている。だが、同じフィンランド出身であり、1998年と1999年に2年連続F1チャンピオンとなったミカ・ハッキネンは、後輩ドライバーであるライコネンの来季に関しても不安を隠せないようだ。

「アブダビでキミを見たよ。彼が運転に何のプレッシャーも感じていないことが分かった」

自分のスポンサーである『Hermes(エルメス)』との最新インタビューでそう語ったハッキネンは、次のように続けた。

「あとはフェラーリがキミのためにかなりいいクルマを準備することができるのを期待するだけだね。もしフェラーリのレベルが今年と同じようであれば、2人のドライバーのやる気にも影響を及ぼしてしまうだろう」

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