かつてレッドブル若手育成プログラムに所属していたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが、カルロス・サインツJr.にF1昇格のチャンスが与えられるべきだと主張した。
ダ・コスタも、2014年のトロロッソのシート獲得候補者に名前が挙げられていたが、最終的にはロシア人ドライバーのダニール・クビアト(トロロッソ)にそのチャンスを奪われ、現在はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に腰をすえている。
ダ・コスタは、鈴木亜久里率いるフォーミュラEのアムリン・アグリのドライバーとしても契約しており、9月に行われた開幕戦ではDTMとスケジュールがバッティングしたことにより佐藤琢磨にステアリングを委ねたものの、22日(土)にはマレーシアで行われた第2戦でフォーミュラEデビューを飾っている。
トロロッソでは、今季フォーミュラ・ルノー3.5シリーズでチャンピオンに輝いたサインツJr.、GP3でチャンピオンとなったアレックス・リン、そして現在のドライバーであるジャン-エリック・ベルニュのうちいずれかひとりを来季17歳でF1に正式デビューを飾るマックス・フェルスタッペンのチームメートに指名するものと考えられている。
ダ・コスタは、トロロッソのドライバー問題に関してスペインの『EFE通信』に次のように語った。
「どうなるかなんて分からないけれど、カルロスがほかの誰よりもシートを獲得するにふさわしいよ」
「昨年は僕だったけれど、今度はカルロスが同じような立場に置かれている」
「彼がシートを与えられるために、これ以上何が必要だっていうんだい?」
さらに、やはり元レッドブルの若手育成メンバーであり、2009年にトロロッソからF1史上最年少デビューを果たした経歴を持つハイメ・アルグエルスアリは、サインツJr.の将来が不透明な状況に置かれていることについては驚いてなどいないと次のように語った。
「F1では何が起ころうと僕は驚いたりはしないね」
フェルスタッペンに最年少F1デビュー記録を更新されることが決まっているアルグエルスアリだが、自身も2011年のクリスマスにそれまで在籍していたトロロッソのシートを失うことを告げられ、そこでF1キャリアが終わりを告げたという苦々しい思い出を持っている。
アルグエルスアリは、次のように付け加えた。
「ひとつのことを考えているとき、別のことが起こることもあるんだ。正反対のことがね。いろんなことの背後でどういう利害関係が働いているかなんて絶対に分からないよ。それは金の問題だけじゃない。さまざまなことがからんでくるんだ」