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欧州連合もF1の合法性に目を付けているとドイツ誌

2014年11月20日(木)17:47 pm

F1における内紛問題が日増しにその規模を増して行く気配を見せている。

財政的に厳しい状況に置かれているロータス、ザウバー、そしてフォース・インディアの3チームは、現在の収益金分配方式の見直しを求めて、レースのボイコットも辞さない姿勢を示しながらF1のオーナー会社であるCVC(キャピタル・パートナーズ)との交渉を進めてきた。だが、ここまでのところその試みが結実する兆しは見えてきていない。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、それらのチームはレースをボイコットするとの脅迫まがいのやり方は正しいものではなかったとの理解のもとに、ボイコットなどの行動に出ることはやめたと書いている。

だが、その3チームは、現在のF1が採用している意思決定方式や収益分配が合法的なものかどうかを問うという戦略に変えてきているようだ。

伝えられるところによれば、彼ら3チームはフェラーリやレッドブルといったトップチームがかなり多額の基本収入を得ていることは、欧州連合競争法に違反するのではないかと提起することを考えているという。

■FOTAはエクレストンによって解散に追い込まれたと元チーム代表

かつてF1にはFOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション)と呼ばれるF1チームによる協議組織が設けられていた。だが、あくまでも任意団体であったため、コスト削減問題などに関する意見の対立により大手チームが離脱するなど弱体化。今年の2月には正式に解散されている。

「バーニー(エクレストン/F1最高責任者)は、FOTAのことを本当に脅威だととらえていた。そして彼はシリーズが分裂するリスクを取り去る必要があったんだ」

そう語ったのは、昨年までメルセデスAMGのチーム代表を務めていたロス・ブラウンだ。ブラウンは次のように続けた。

「彼(エクレストン)は、高額のボーナスを支給することを約束してフェラーリとレッドブルをそこから抜けさせたんだ」

■前FIA会長も現在の構造を批判

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の前会長であるマックス・モズレーも、現在の不公平な収益分配方式はFIAが定める規則にも違反するものだと次のように語っている。

「大規模チームにより多くの金を分配することは、彼らにより大きなエンジンを乗せるのを認めるのと同じことだ」

そればかりではない。エクレストン主導のもとに今年立ち上げられた「ストラテジー・グループ」と呼ばれるF1意思決定機関は大規模チームを中心とする6チームで構成されており、ザウバーやフォース・インディアなどは除外されている。

さらに、小規模チームたちは、フェラーリに与えられていると考えられているルール変更に対する「拒否権」に関しても、欧州連合から調査が入った場合には問題視されると考えているようだ。

■欧州連合の介入も現実味?

シュミット記者は、「あまりにもこうしたことが新聞紙上をにぎわせていることにより、(欧州連合)委員会がF1に目を付けていることは間違いない」と書いている。

欧州連合のF1介入がうわさにのぼるのは今回が初めてではない。今年5月にもストラテジー・グループという意思決定機関の存在に関し、欧州連合の調査委員会が状況を監督していると報じられたこともある。

シュミット記者は、モズレーはF1にとって今緊急に対応すべきことが3点あると主張していると書いている。それは、収益分配の公平性実現、コスト削減、そしてルールの単純化だ。

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