10月のF1第15戦日本GP決勝中の事故で頭部を負傷したジュール・ビアンキ(マルシャ)はフランスへ帰国したことが19日(水)、家族によって明らかにされた。
鈴鹿サーキットにほど近い四日市市の病院に収容されたビアンキは、重体が続いていた。
しかし、父フィリップさんと母クリスティーヌさんの発表によると、「ジュールの容態に大きな進展が見られた」という。
今も「意識はない」が、ビアンキは「人工的な昏睡状態から脱した」のだ。
「彼は自発呼吸を行なっていて、バイタルも安定している。ただし、相変わらず重い容態だ。治療はこれから、脳機能の改善を視野に入れた、新たな段階に進む」と、声明にはある。
これを機に両親は、ビアンキを一路、日本から母国フランスに移送することにしたという。
また、ビアンキに治療を施した三重県立総合医療センターについては、次のように述べている。
「事故以来、病院のすばらしいケアには賞賛のことばしか浮かばない。医療スタッフの皆さんが、ジュールは元より、辛い時期を過ごした私たち家族のためにしてくれたすべてのことに厚くお礼を申し上げる。特に、日本でジュールの主治医だった脳神経外科の亀井先生と山道先生、それとオグラさんには、ほんとうにお世話になりました」
現在ビアンキは、南仏ニースの大学病院で集中治療を受けている。