イギリスの大手紙のひとつである『Telegraph(テレグラフ)』の記者が、近年のF1に多く見受けられる「ペイドライバー」のパフォーマンスを厳しく批評した。
「ペイドライバー」とは、本来F1で走るだけの実力を持っていないものの、潤沢なスポンサーマネーを背景にシートを買い取る形でF1への昇格を果たしたドライバーのことだ。
『Telegraph(テレグラフ)』のダニエル・ジョンソン記者は、そうしたペイドライバーの中で最悪なのがパストール・マルドナード(ロータス)だと指摘している。
「金曜フリー走行でマルドナードがクラッシュしなかったセッションがいくつあっただろう?」
「ほぼ4,300万ドル(約50億円)ものスポンサーマネーにより、その彼が来年も走るのは確実なんだ」
ジョンソンが次にあげたのは今季ケータハムからF1デビューを飾ったスウェーデン出身のルーキードライバー、マーカス・エリクソンだ。ジョンソンは、エリクソンの実力は「非常に劣っており、ベルギーGP(第12戦)ではF1で初めて走ったドライバー(アンドレ・ロッテラー)のほうが約2秒も速かったよ」と指摘。
ジョンソンに言わせれば、すでに来季ザウバーへの加入が決まったエリクソンだが、それは「あの実力からすれば、せいぜい金を持ち込むことができたからだ」ということになる。
そのエリクソンに追われる形でザウバーのシートを失うことになるエステバン・グティエレスに関してもジョンソンは手厳しい。「シーズンを通じてどこにいるのか全然分からなかったよ」
また、やはり豊富な資金力を抱えると言われているものの、マルシャの破たんにより現在は行き場を失った形のイギリス人ドライバー、マックス・チルトンに関しては、「堅実だし好感は持てる」ものの「F1で走るには速さが足りない」との評価だ。
さらに、ジョンソンは4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に対しても手厳しい評価を下している。ベッテルは、ジョンソンの通信簿によれば上から数えて13番目だという。
「前年度のF1チャンピオンがこれほどひどかったことがこれまでにあっただろうか?」
そう書いたジョンソンは、次のように付け加えた。
「信頼性の問題を抱えたこともあっただろう。だが、彼は今年の新しいクルマに素早く適応することに失敗したんだ」